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samurai 【男女共同参画と少子化担当大臣】作者本名鈴木峰晴表紙ページ【サイトナビ】に戻る。

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【男女共同参画と少子化担当大臣のまやかし】

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(注)これは、「日本の現状と小泉内閣への私見」からの抜粋です。


【男女共同参画と少子化担当大臣のまやかし】

◆◇◆◇◆(男女共同参画と少子化担当大臣のまやかし)◆◇◆◇◆◇

或るテレビ番組で政治家や有識者が「少子高齢化」の問題を論議していた。

その中で、或る議員さんが「この非常事態を切り抜ける為に、女性の労働力にもう少し期待して、その為の保育園や幼稚園の整備に力を入れたい。」と言っていた。

少子化による若い労働力不足を、「女性の社会進出で補おう」と言うのだ。

一見正論の様だが、本末転倒である。

そもそも、少子化問題の根本的原因の一つが、紛れもなく女性の社会進出だからである。


戦後の昭和三十年年代始めまでは、主婦は家庭を守り、子育てをするのが主流だった。

事情が違うので単純比較は出来ないが、サラリーマンの「一家の生活」は夫の収入でそれなりに賄われていた。

つまり企業は、生活水準さえ今日とは違え一家を丸々食べさせ、生活を支えていたのだ。

処が何時の間にか、企業には一家に対して七割負担くらいで済むシメシメの社会が確立した。

バカバカしい話だが、夫婦共稼ぎでなければやって行け無い給与体系になって働かざるを得ず、親の介護が難しくなりそれが要因で施設へ入れる人間が三割ほど増えて「国の介護予算が増える」と言う方程式も成り立つ。

つまりどこかでプラスになればその分どこかでマイナスになるのだから、夫婦共稼ぎ社会にして得した企業が本来なら介護予算の負担はすべきであるのに、その負担をおかど違いの庶民にさせる発想しかないのが、自由民主党なのである。

そればかりか、少子高齢化で児童は大事な筈なのに、保育所(保育園)不足で順番待ちの待機児童が溢れている。

これでは、働きたくても働けない困窮家庭を増殖させるばかりである。

本来行政が整備すべきそうした劣悪な周辺環境に矛盾して、子供は産んでくれ後は自己責任で育ててくれ、おまけに「安いパート賃金で働け」は、大企業有利に偏重し少子化対策など口ばかりで何もしなかった小泉・竹中内閣以来の自民党「何もしない内閣」の重大な問題放置である。



夫一人の収入で賄われていた給与の比率を壊したのは、実は野党系の女性代議士だった。

働き(稼ぎ)の面で、「女性が男性の付属物扱い見たいで嫌だ。」

これも彼女達は、基本的に「収入だけの価値観」で物を考えている事になる。

本来、家を守り子を育てる事にも大きな価値がある筈だった。

処が、稚拙な価値観を押し通して、自分に馴染みの無い「育児」などは二の次だった。

子育ての経験に疎い彼女達には、目先の主張はあっても長いスパンの見通しは欠けていた事になる。

大体、女性の権利を主張すれば薔薇色の人生があるがごときに言う事自体に問題がある。

この建前の男女平等主張は、大企業にとって企業負担を軽減させ労働力確保の為に、女性運動家議員の「単純な思考の発露」を有効利用するのが、政権政党とそれを支える大企業にとって、「持って来い」の事だった。

大半の女性は、女性運動家にも、役人(キャリア官僚)にも、大企業のオーナーにも成れない。

さも女性の為の権利運動の様に見えるが、実質ほんの一握りの「エリート女性」の為だけの論理だったのである。

当然ながら男性社会にも、能力差や運・不運で良い地位に居るもの酷い状態に身を置く者が居て、男性社会でも良い地位に居る者はほんの僅かしか存在しない事は、社会進出に於ける女性と同じである。

それでも、男性社会の現状を無視して女性の社会進出を理想的に喧伝するのは、自らの存在主張に終始するさもしい心の人物に違いない。


勿論、この二千年代に入って、女性の社会進出と伴に不妊原因として顕著に成った卵子の老化(らんしのろうか)も、男女共同参画の美名の下に、結果的に少子化社会を促進させている。

この現代、総論と各論の違いを考えバランスを取る事が本来の知的対応で、建前の男女平等の主張は必ずしも一般女性を幸せにするものではなかった。

女性の社会進出は日本の経済発展を下支えした事は事実であるが、家計を潤したのは高度経済成長期の僅かな期間しかなかった。

反面、建前の女性の社会進出は企業経営陣にして見れば占めたもので、女性も労働力として使える上に男性社員に一家の生活を支えるだけの給与を払わなくて済む「抑制効果」がうまれる。

つまり一部の少数の利発で頭の良い女性の主張は、余りにも感情的で運用面で稚拙過ぎたのでは無いだろうか?

この一家の稼ぎを夫婦で分担させる給与体系(共働き)にした事で企業は負担が楽になると同時に、夫の収入を充てにする専業主婦が激減し妻も収入を得た事で一気に離婚率が急上昇し、群れ社会としての最小単位である家庭感を希薄にして不幸な子供は激増した。

確かに男女のチャンスは平等に成りつつあるが、日本中の女性が著名な学者や経営者、政治家に成れる訳ではなく、普通の女性は家庭を持てば(結婚や出産を期に)精々パートかアルバイトで家計を補うに過ぎない。

つまり、少数の利発で頭の良い女性の感情的主張が、多くの普通の女性とその子供達を不幸にしたのである。

つまり、女性の大半は騙されて、「パート勤め漬け(非正規雇用)」の現在の境遇にある。

女性運動家議員は無責任にも「こう言う結果になる」と言う予測が出来るほど、深い思考を持ち合わせては居なかったのだ。

(詳しくは、内閣府特命大臣の美名を参照願います。)


戦後の日本社会は、見事な「責任転嫁社会」である。

親は子供の悪しき行動を、教員の教育責任や見せるゲームやTV・DVDなどの映像の悪影響のせいにするが、そう言うものを見ても「正しい判断が出来る子」に育てる「親の責任」を放棄した上で、全てを「映像の悪影響」に責任転嫁をしている。

この実態の裏には、戦後の日本の社会システムが「<共働き社会」に成って子供に親が接する時間が無くなった事への、「責任の逃げ口」的な色合いが濃い。

つまり戦後日本の社会体制が、「子育て」と言う面では犠牲になって始めて一家の収入が確保される歪んだ体制になっているからである。

その「責任転嫁社会」の象徴が竹中平蔵氏で、竹中氏は小泉内閣の経済運営を主導する最高権力者の地位に在ったにも関わらず、行政上の失敗は「官僚と地方首長のせい」と言って憚(はばか)らない。

例えその抵抗が在ったにしても、それでも「それをさせる」のが竹中平蔵氏の結果責任を伴う地位であり、卑怯に「責任転嫁」など言える立場ではない。


この三十年間、日本の政府は二つの大きな矛盾する事を同時に問題として取り上げ、あたかも両立出来るかのごとく立法化して来た。

それは、「社会保険(年金を含む)制度の整備」と、方や「男女平等論」の事だ。

そして「男女雇用均等法」なる法律が出来た。

その根底に在るのは、過去に於いて女性が永い事「不利益な扱いを受け来た歴史が在るから」だと言われている。

勿論女性には忍従の歴史が在った事に、異論はない。

改善を訴えて当たり前だ。

しかしあえて聞きたい。

それらの平等論の中に、男女の特性を勘案(または考慮)する必要はないのか。

どうも、「女性は感情の動物」と言う表現があるが、平等論に関しては一部の女性運動家のヒステリックな主張が、余りにも際立って、本質を見誤ってしまっているのではないか。

これは子供の教育問題も同じだが、人間は生物の一種類であり、生物である以上、持って生まれた自然の特性に役割分担の違いがある。
それを無視して本当に良いのか。

両性を無理やり同じにさせようとしても、特性的にも社会的にも無理がある。

女を棄てて女性の人権問題に取り組む運動家は、それが信念だから良いかも知れない。

勿論そう言う人も、世の中には居てくれた方が良い。

だが、女性全員が女性人権運動家では社会は成り立たないし、生活も出来ない。

女性も皆、様々な立場で生活しているのだ。

それを一握りの意見で、決めてしまって良いものか。

私には、母性を捨てた女性がカッコ良いとは思えないが、個人の行き方の自由であり、それを批判する気はない。

しかし、彼女達の努力が実を結び、「男女雇用機会均等法」が施行されると、それにより不利益をこうむる女性達が現れた。

本音では、女性運動家ほど先鋭な考えの女性は少ない。

結構「結婚して子供を産んで育てたい」と言う、シンプルな希望の女性が多いのだ。

むしろ、女性が若い内は安心して子育てに専念させる社会環境を作り、子育ての終わった女性の積極的社会進出を期待し、それをサポートする制度の立法が望ましい。

そうした希望に対する社会環境は、逆に壊されてしまった。

「共稼ぎが当たり前」と言う、社会設計構造が確立してしまったのだ。

近頃では主婦を含む女性の単身赴任が多くなって、「家庭の危機を招いている」と言う話も聞くようになった。

都合の良い時だけ「男女平等」を叫ぶ事は出来ない。

男女雇用機会均等法が施行されている以上、会社も男女両性の条件は同じだ。

妻の方が夫と子供を置いて赴任し、夫や子供と溝が出来たり、それを回避する為に退社を余儀なくしたり、笑えない事実が報道されている。

万一その単身赴任で、母親不在の為に子供の心理に傷を残したり、夫と不和になったりすると、いずれも辛い思いをするのは子供である。

その危惧を、「夫側も子育てに協力させれば良い」と、現実を無視した綺麗事の建前で済ませるが、現在の社会を持ってすると何の解決にもなっていないのである。

そこまで行かなくても、女性の育児時間は「稼ぎが忙しいから」と大幅に減少している。

それで、育児、教育に於ける母性の手抜きが指摘されている。

一部には、子供が、事件を引起すのは、「母性に飢えているからだ」と言う指摘もある。

単純な話だが、基本的に男性女性の特性は違っていて、女性が男性の変わりは出来ないし男性が女性の変わりは出来ない。

母性は、原則として女性にしかない。

十月十日(とつきとうか)の母の心音を胎内で聞いていた子は、母の胸で安心する。

此れは、男性では絶対に真似出来ない。

子育てを夫が協力はして当たり前だが、「子育ての分担で、赤子の世話をしろ」は、赤子時の精神育成などを無視したまったくの暴論で、自然とは馴染まない。

父親が面倒を見ていれば、「子供が母親と同等の価値を見出す。」と言うのは、「子供の自然な心理」をまったく無視した机上の計算で有る。

過去に於いては、自然発生的に男女の役割分担は合意されていた。

それをいきなり「出世の機会を平等にしろ」と要求すれば、それでは、「要求される仕事の義務も平等にしましょう」と来るのは当たり前だ。

この時点で、「母性」は放棄せざるを得ない。

確かに、これで女性の社会進出は進み、女性の社会的地位は上がる。

しかし、表面化は少ししかしてはいないが、様々な問題は派生している。

例えば、女性の総合職はスタートから男性社員と同じ出世の機会を保有する。

それで同じ仕事内容を要求されると、色々と無理が生じる。

単純に表現すると、過去に専業主婦が「夫の帰りがいつも午前様で困る。」と嘆いていた事を、「彼女達も背負う」と言う事だ。

今、大手企業は、余り表面化していないがバブル崩壊後の求職市場を反映、過度のサービス残業が定着していてそれが当たり前の風潮にある。

人員を削減し、残りの人員で効率(労働負担を上げる)を上げて、埋め合わせている。

此れで相当の企業収益を上げているが、社会や社員への還元は少ない。

どうもこの件では、労使が暗黙の合意をしている節があるが。

このサービス残業を、女性総合職だけが例外では、社内心情的に通らない。

それで女性を過度の労働から守っていた旧の労働法の時よりも、格段に実質就労時間は増えている。

此れは、過去に女性保護で規制されていた事業分野にも及んでいる。

当たり前だが、そう言う時だけ「か弱い女性」は、新しい法律の下では通らない。

女性と言う事で扱いを分けてはならないのが、この法の精神である。

おかげで、確かに男性社員と平等に長時間のサービス残業を、させてもらえる様になった。

以前は女性保護の観点から、夜間の残業から女性を守っていた。

帰宅時間が遅くなれば、体力的に弱者の女性にとって当然不慮の危険も増すが、女性と言えども平等社会ではそんな危険への配慮も差別なのか?

この男女雇用均等法、この結果を見ると実は女性運動家の成果ではなく、経済・産業界が、「労働の効率化の為に政治を動かしたのか」とさえ思えて来る。

社員間の意志疎通や、チームワークの為の飲み会もある。

此れを昔の事務職主力時代の女性の様に、「親がうるさいから」などと言い訳して、参加を敬遠していたら、キャリアとして遅れを取る。

飲み会の趣旨には、日頃の憂さ晴らしの側面もある。

下もネタ、色気のあるゲームなど飛び交う。

酒の席で、「セクハラ」などと言っていては、場が盛り上がらない。

女性総合職が、こうした場所では少しくらい「砕けてやって」こそ、盛り上がって、次の日からの成果が上がる。

建前では「とんでもない」だが、企業の一員としての「擬似の群れ」の中ではそれが現実である。

危険を伴うのも事実だが、それが女性の特性を生かした現実の「社内処世術」なのだ。

しかしながら、近頃は女性の権利を誤解して、見事にツンツンしている女性も多い。

女性が女性らしくある事が「女性の権利」のような気がするのだが、気のせいか。

総合職の営業部門(分野)では、「接待」と言う風習もある。

ゴルフ、マージャン、酒席、等がある。

ゴルフ、マージャンはある程度技術をマスターしないと、相手に失礼である。

しかも競技時間は、休日等に、長時間に及ぶ。

以前は、これは男の仕事で、確かに遊び半分だが、接待する方は気が休まらない休日なのだが、これも「平等」に休めなくなった。

そうした事をパスして居て、「女性に差をつけている」と訴える身勝手な「良いとこ取り」の女性もいるが、勘違いもはなはだしい。

付け加えると、ゴルフには反省会なる酒席が伴うのが一般的である。

酒席は、最初からの必要条件として色気が伴う。

取引先担当者との良好な関係を保つ為には、「必要悪」かもしれない。

これも女性総合職だけが敬遠すれば、男性と同じ様には相手から仕事が取れない。

か、と言って、女性の接客婦のいる「くつろぎの場所」に、取引先のキャリア女性が付いてきて、キッチリとされて横にいては、接待される相手は見張られて居る様なもので、到底くつろげない。

これをカバーするには、女性総合職は自分が接客婦に成るしか、方法がない。

しかしこれは危険である。

それだけの覚悟がないと、相手は仕事をくれる強い立場だ。

あえて言えば、これを躊躇すれば返って仕事の関係を悪化する恐れさえある。

女性総合職の営業接待は、諸刃の剣なのだ。

女性営業職独特の「危い立場」と言える。

勿論割り切って、これを逆手にとって仕事をドンドン取る女性もいない訳ではない。

それは、女性本人の選択の問題だ。

間違っても、会社は表向き、それを奨励はしない。

しかし実績が上がれば、手段など問わずに評価はする。

最初それに抗って居ても、周りと差がつけば嫌でも覚悟を決めねばならなくなる。

米国式の、上司に対してのキャッリア女性による出世の為の社内接客婦の存在も、半ば公然と囁かれている。

こうした事実での家庭崩壊の急増を、建前の中に閉じ込めて、「一部の問題」と片つけているのが、現状で有る。

「しょせん。」と言ってしまえば怒られるかも知れないが、世の中、男女の特性の違いは避けては通れないのだ。

言い換えれば、男女の特性を抜きにした関係は、育ち難い。

つまり出世するには、女性の特性(女そのもの)が武器になる。

或いは不埒な事ながら、その武器の使用を先方から要求されるかも知れない。

これが「男女共同参画」の現実である。

女性は「建前の理由」さえあれば、自分を簡単に納得させる事が出来るのだ。

「出世の為」これは立派な理由である。

時には、「自分はそんな人間ではないが、止むを負え無い事情だから。」と、自分に言い聞かせる為の道具になる。

その最たる理由が、「だんな様より好きな人が現れた」と言うものであるが、聞いた事の有る話ではないか。

そうした機会が格段に増え、泣きを見ているのが子供達で有る。

勝手に「必要」と自分を納得させさえすれば、娼婦にもAX女優にもなれるのが女性である。

此れでは結果的に、女性は昔より自分を安売りして仕舞いそうである。

まあ、自分の意思による選択だから、「虐げられてはいない。」と言えば、それまでだが。

もっと深く考えれば、今まで男性の専売だった「性の火遊び」が、こう言う形で女性が「性の火遊び」に参入する事こそ、女性運動家の言う男女平等なのかもしれない。

だが相手が既婚者の場合、此れは一歩間違えれば、修羅場に発展する。

近頃のそうした風潮の高まりは、一体誰のせいだ。

独身女性ならまだ良いが、「亭主や子供が居る身」となると、悪くすると紛争の種や不幸な子供を作る事になる。

事実日本の離婚実績が、米国のそれに近づいているのだ。

そうなると、キャリアを守る為には、中々結婚は出来なくなる。

結婚が出来なければ、基本的には子供は成せない。

「少子化」の元凶である。

もっとも近頃は、シングル・マザーなる言葉もある様だが・・・・・。

女性の社会進出は、女性に新しいタイプの、言わば「アメリカ的ストレス」を押し付けただけなのかもしれない。

それが証拠に、米国の企業を舞台にしたTXドラマでは「くっ付いたり、離れたり」がめまぐるしい。

それも出世の計算が、絡み合うのが多い。

たぶんあれが、キャリア・ウーマンの生き方の実態だろう。


米国の自立した女性の格好よさを表現すると、貞操(死語?)など眼中にない。

それを見て、表面だけで憧れているのが日本の女性達である。

こう言う映像は、世相を反映するもので、その逆はありえない。

「ドラマだけの作り物の世界」などと思っていると、世相を読み違える。

だが現実には、まだ上辺だけの(建前としての)男女平等を信じている人々のいかに多い事か、嘆かわしい限りだ。

しかしそこまで、女性運動家が「想定して運動していた」とは思えない。

もっとヒステリックな、感情的なもので、結果を予測すらせずに、声高に叫んでいたのではないのか。

そんな訳で、仕事をするには、過去においても、職場における性別の弊害は必ずしも、「女性にだけ不利益だった」とは、言えなかったのだ。

キャリア・ウーマンと呼ばれる一見格好良い女性達が闊歩して、日本のTXドラマでも、若い女性達に憧れをもたれていた。

シングル・マザーなる流行語も生まれた。

しかし、親兄弟の助けなくして、シングル・マザーなど成立たない。

それで「自立している」とは、お笑い種で、TXドラマだからこそ、逃げ場を用意しているのだ。

現実には、シングルでは子育てなど中々出来ない事を、彼女達は知っている。

暴論と言われるかも知れないが、これが少子化の一翼を荷っているのは明らかある。

今の社会体制で男性に伍して行くには、出産など邪魔である。

妊娠期間のおよそ半分、五ヶ月は産休を取らねばならない。

色々な制度で「カバーしている」と言うが、実態は必ずしも机上の計算の様には行かない。

まして、子育てなどもっての他だ。

育児休暇も取り難いし、「退社時間、即の退社」も現実にはままならない。

その間に「男ども」との出世競争に遅れを撮るのは明らかだからだ。

子育ては、「男性パートナー(夫)と半々の平等でやれば良い」と言うかも知れないが、現実には、一部の職業を除いて不可能に近い「希望的夢想」と言える。

男性パートナーのキャリアを無視すれば、可能かも知れないが、それでは生活の原資が共同で稼げない。

つまり、女性がキャリア・アップするには、性の分野でも出産育児の分野でも、「フリーな立場」でなければならないし、時として女性の武器も使う覚悟が必要なのだ。

もっとも、シンプルな女性の権利を放棄しないと、平等の権利を行使できない現実がある。

それで結婚は遠退き、或いは結婚しても出産はしない。

彼女達が母性に目覚める頃には、年が行ってしまい、多くの出産には母体が適さなくなって来るのだ。

此れでは少子化も、やむ応得無い。

だが、それでは国家は成立たない。

将来日本の人口は半減すると言われている。

いくら米国式に「あこがれている」とは言え、日本国の法律も矛盾に満ちている。

少子化対策とは対極に位置するのが、男女雇用機会均等法なのだ。

第一、米国とは国情が違う。

この五十年、日本は米国の民主主義の「建前部分」を盲目的に標榜してきた。

この傾向は、建前好きな女性運動家に特に多い。

彼女たちは、米国の、「彼女達にとって都合の悪い本音の部分」には、耳も目も塞いで、今に至っている。

そろそろ日本と米国は違うと言う事に、気付いても良さそうではないか。

たとえば、日本国民「総中流意識」(もっとも最近では一億総中流貧民だとも言うが)と言うが、米国では、移民と不法入国者が絶えず供給する形で下層階級を形成していて、産業の下支えの役目をしている。

元々移民で始まった多民族国家であり、国土も広いので、今でも移民などに懐が深い。

だからこそキャリア・ウーマンの居場所が、米国にはある。

アメリカン・ドリームもある。

下層階級から這い上がるパワーもある。

だが、移民の米国での生活は、下積みの仕事から始まる。

この豊富な下層階級の下支えを、日本は「理想だけ追って」計算には入れて来なかった。

したがって、高学歴の「汚れ仕事はいやだ」と言うプライドしかない若者ばかりになった。

それなのに、米国のまねをした。

三Kなどと、汚れ仕事は敬遠された。

それで、「背に腹は替えられず」大企業は、海外に工場を求め、国内の産業は空洞化して行った。

ただし、こうした移民などで下層階級の供給を行えば、日本の治安は今以上に悪くなる。

米国が実証しているように、貧しき者の、富める者への力の攻撃である。

此れは出来れば避けたい。

しかしながら、現状のままで何の手も打たなかったら、人口の減少が続く。

やがて政府は、多少の治安の悪化を覚悟で移民を受け入れる「選択肢」に、至るかも知しれない。


結婚は遠退き、或いは結婚しても出産はしない社会で、老後は誰が見るのだろうか?

実は、「男女共同参画」の思想が本来の人間としての群れ社会における役割分担の構造を破壊し、「家庭」を破壊してしまった。

本来、群れ社会の最小単位だった「家庭」が安定していたから老後は子や嫁、孫達が老後の面倒を見た。

所が「男女共同参画」とやらで低賃金労働に駆り出された嫁や子供に親の老後は見てやれない。

益してや女性の私権を主張する余り、家庭を持つわずらわしさや子供を育てるわずらわしさから逃れて、自分が未婚のまま老後を迎えては面倒を見てくれる者はいない。

今の日本のように、下層階級の供給も無しにキャリア・ウーマンもどきを作ったら、人口は減るばかりだ。
自明の理である。

そう言う結果予測無しの立法が、ピンポイントの問題解決の為になされ、それによって起こった新たな問題に、また繕い(つくろい)の立法をして来た。

この章で述べているキャリア・ウーマンの実際に置かれた本音の立場に関して、建前主義の日本では米国ほど、社会が合意しているとも思えない。

何か表面化すれば、彼女達は建前の元に、袋叩きに会うだろう。

建前だけの合意で何か事が起きると、また個人だけの責任に押し付けるのか。

少子化問題にしても、私がか関わらなくても「誰かがやってくれる」と、思っている女性ばかりでは、先が思いやられる。

自分の欲望ばかりで、社会とのバランスなど考えない。

つまり、楽に生きる為に「種の保存」と言う大役(産んで育てる)を放棄してしまうのだ。

残念ながら、この問題の特効薬はない。

あえて言えば、違う生き方の女性が増えるように国が努力して啓発していく、地道な努力が必要だと言う他はない。

後は子育て専業主婦の社会的評価の向上を、政府が率先して努力するくらいか。

女性の社会進出は大いに結構だが、「自分達の幸せ以外は考慮に価しない」などと思っていると、必ずしっぺ返しは来る。

何事にも、得るものあれば失うものは必ずある。

今のまま走ってしまうと、自分が老齢に達した時に、悔やんでも手遅れの社会になっている事を承知置き願いたい。

国民の居ない国家は成立たないのであるから、日本は滅亡への道を走っているのだ。


【了】


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【*】短編人生小説 (4)

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裁判員制度シュミレーション

凌 虐 の 裁 き

(りょうぎゃくのさばき)


未来狂 冗談 作

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ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。


【*】短編人生小説 (3)

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短編小説(1)

「黄昏の日常」

我にしてこの妻あり


未来狂 冗談 作

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ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。

【*】女性向短編小説 (1)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

短編小説(1)

「アイドルを探せ」

青い頃…秋から冬へ


未来狂 冗談 作

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ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。

【*】社会派短編小説(2)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

社会派短編小説(2)

「生き様の詩(うた)」

楢山が見える


未来狂 冗談 作

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ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。

◆HP上 非公式プロモート・ウエブサイト公開作品紹介◆

【小説・現代インターネット奇談 第一弾】


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「小説・現代インターネット奇談」
【電脳妖姫伝記】

【*】和やかな陵辱


(なごやかなりょうじょく)


未来狂 冗談 作

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【小説・現代インターネット奇談 第二弾】

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戦 後 大 戦 伝 記

夢と現の狭間に有りて

(ゆめとうつつのはざまにありて) 完 全 版◆


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「あえて、暴論」

ジョウダンの発想

◆冗談 日本に提言する◆

未来狂 冗談 作

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冗談 日本に提言する・・・(来るべき未来に)

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異論・反論も大歓迎!!

====(日本史異聞シリーズ)第六作====
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「小説・怒りの空想平成維新」

◆たったひとりのクーデター◆

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 愛の形ちは、プラトニックにいやらしく

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とくに男女の恋愛に関しては・・・
ちょっとHでせつない、現代のプラトニックラブストーリー。

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◆仮面の裏側外伝◆

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◆{短編集 仮面の裏側・外伝}・・・・・・・・(現代)

◆ウエブサイト◆「仮面の裏側外伝」

====(日本史異聞シリーズ)第一作====
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東九州連続怪死事件・事件は時空を超えて

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八月のスサノウ伝説・・・・・・・・・(神話時代)

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そして現代に甦るスサノウの命、
時空を超えたメッセージとは・・・

====(日本史異聞シリーズ)第五作====
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「権力の落とし穴」

本能寺の変の謎・明智光秀はかく戦えり

◆侮り(あなどり)◆

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侮り(あなどり)・・・・・・・(戦国〜江戸時代)

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「侮り」の中で光秀を失ってしまっていた・・・

====(日本史異聞シリーズ)第四作====
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南北朝秘話・切なからず、や、思春期

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そんな茂夫が迷宮へ迷い込んでく・・・

====(日本史異聞シリーズ)第三作====
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鎌倉伝説

非道の権力者・頼朝の妻

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====(日本史異聞シリーズ)第二作====
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うその中の真実・飛鳥時代へのなぞ

◆倭(わ)の国は遥かなり◆

未来狂 冗談 作

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倭の国は遥かなり ・・・・・・・・・・・(飛鳥時代)

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今、解き明かされる「二千年前の遥か昔」、
呼び起こされる同胞の血

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作者本名・鈴木峰晴