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【日本人は原人(縄文人)と渡来人のハイブリット】


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日本人の祖先は何処から来たのか?作者本名鈴木峰晴表紙ページ【サイトナビ】に戻る。

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この小論は、【日本史・歴史のミステリーのシリーズリスト】の一つです。

***【歴史のミステリー】**********

***【遥か黒潮の流れを思って】*************

日本人の祖先は何処から来たのか?

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日本人の祖先は何処から来たのか?

此処では【古墳時代(こふんじだい)】以前の【樺太から来た原人】・【稲作縄文人】・【倭国と弥生人】を一通で取り上げる。


目次・ジャンプクリック
(明緑色の部分をクリックするとそこに飛びます。)
第〔一〕話樺太から来た原人
第〔二〕話稲作縄文人
第〔三〕話倭国と弥生人
第〔四〕話農耕民族(加羅系)・海洋民族(呉族系)
     ◇このまま下にも読み進めます。


教科書に載っていない日本人の祖先は何処から来たのか?の背景に迫る。

用語人名解説・日本史検索・クリックリスト


樺太から来た原人

【日本人は原人と渡来人のハイブリット】


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆〔一〕樺太から来た原人 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆

無謀にも我輩は、この物語・皇統と鵺の影人で「日本人の大河ドラマ」を書き始めてしまった。

すると色んなものが見えて考察が面白く成っては来たが、気に成る事を見逃しては歴史の探求者とは言えない。

まぁ物事を深く考えず、不確かな伝承で満足している人間は余り知的とは言えないかも知れない。


日本人の祖先何処から来たのか?

この命題に答えるならば、「日本人は、何度かの段階を踏んで日本列島で出会った多くの人種(部族)の混血体」と言う答えである。


そもそも、大陸や朝鮮半島からの文明を携えて渡来部族が散発的に日本列島に渡来して来て弥生人を構成して行く。

弥生人の渡来が散発的であったことも幸いして、. 先住縄文人と大陸から渡来した長江文明を持った弥生人が争うことなく誓約手段により共存して行った。

やがて弥生人の渡来部族の集合体で大和政権が成立する。

大和政権の統治の正統性を国民二認めさせる為に様々な伝説を捏造して流布する活動を国家単位で実施する。


しかし困った事だが、日本人は未だに単一民族神話を心の片隅で棄て切れていないから、「先祖は何処其処(どこそこから)来た」と単純明快な答えを求め過ぎる。

そしてそうした単純明快な説を唱える輩も多いが、そんな単純明快な説を提唱する輩は非現実的であり、もしその説が信憑性を含んでいてもそれは日本列島に渡来した部族の一部に過ぎず、日本人の根幹を成す祖先では無い。



今から数万年前の氷河期、当時大陸と分厚い氷の層で陸続きだった樺太から原始的な人類の群れが南下移動して来て最初に日本列島に居住した。

この樺太から日本列島へ来た原人の時代を史学上は旧石器時代(きゅうせっきじだい)と呼び、人類が日本列島へ移住して来た時に始まり、一万六千年前の終わりを迎えたと考えられている。

固体として非力な動物である人類は、生きる術(すべ)として道具(或いは武器)を使う事を覚え、群れを為す事で協力して生きる事を覚えた。

従って群れを為す事は、人類にとって最も基本的な本能と成った。


まだ地続きだった凍て付く樺太を経由して日本列島に南下して来た人々の群れは、マンモスを狩る為に追って来たのかそれとも暖かい土地と豊富な獲物を求めて遣って来たのだろうか。

狩猟民族の彼等が、「最初の日本列島の住人だった」と推測されている。

最初は良い狩猟場所を求めて群れ同士で争そう事もあっただろうが、移動しながら狩をする群れでは成果は不安定だから狩は人数が多い方が効率を上げられる。

その後日本列島は、凡そ一万年前頃に地球の気候が温暖になると、日本列島は大陸から離れてほぼ現在のような姿形の列島に成り、初期の原始的な列島の住人は大陸と孤立した。


この「縄文文化」の以前からの原住民族についての物語は推測で、日本列島に原人や旧人の存在は確認されていない。

何故ならば、出土した原人の骨と推測された明石原人(あかしげんじん)、西八木人骨(にしやぎじんこつ)などが、考古学的に否定されつつある。

現在列島地域で発掘された骨で学術的に確認されているのは、原ポリネシア系縄文人からである。

その推測の域で、縄文人成立の物語を進める。

「縄文文化」の以前からの原住民族が居る日本列島へ、約一万六千五百年前(紀元前百四十五世紀)頃に、大陸や南方の島から別の種族が次々と日本列島に移動して来る。

やがて、原住民と古い渡来人が同化して縄文人が成立し、縄文文化が始まる。



日本人のルーツの一つ「縄文人」は、きわめて古い時代に他のアジア人集団から 分かれ、独自に進化した「特異な集団だった」と国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の斎藤 成也 ( なるや ) 教授らのグループに解明されている。

この「縄文人」が蝦夷(エミシ)と呼ぶ古代日本人(ネイティブジャパニーズ)である。

蝦夷(エミシ)と呼ぶ「縄文人」が住いし日本列島へ中華文明で当時としては文化的な多くの征服(侵略)部族が渡来して来て、小さな国々創った。

やがて渡来征服(侵略)部族が創った小さな国々が誓約(うけい)で合従連衡(がっしょうれんこう)して規模を拡大し大国主による連合政権を創った。


そもそも大和朝廷(ヤマト王権)によって、日本列島の西日本統一が実現された時、当時日本列島各地に勢力を持つ征服(侵略)部族の王達は既に神を名乗って神格化されて居た。

大和大国(やまとのおおくに)の大和(やまと)は大和合(だいわごう)で、大和合の大国(おおくに)と実に判り易い。

その大和合の手段が誓約(うけい)である。

黎明期の日本列島は都市国家もどきの倭の国々で、国主(くにぬし/国造・くにのみやっこ)も県主(あがたのぬし)も、大和合する以前は基本的に部族国家の王である。

判り易いのに神話の天孫降(光)臨伝説には符合しないから、「大和合大国(だいわごうのおおくに)では都合が悪い」と言う矛盾を抱えた名前が大和大国(やまとのおおくに)の名称である。

ちなみに、大和合(だいわごう)の大和(だいわ)を、邪馬台国(やまたいこく)の邪馬台(やまたい/ヤマタイの文字も音表記の充て字)に充ててヤマトと読ませ、「大和=やまと」ならシンプルで良いのだが・・・・。


原人の結氷期列島渡来説とは違い、確実に列島渡来が認められるのが原ポリネシア系縄文人の存在である。

当時はまだ男女の仲が自然淘汰の類人猿の繁殖形態に近く、元々「群れ婚(群れ内乱婚)」だった彼らは、互いに誓約(うけい)の性交をもって群れを合流し、新しい群れ作っては混血を繰り返し、増え過ぎると分裂しての集合離散を繰り返しながら列島中に群れを拡散させて行く。

元々人類も生き物であるから、自然の本能に導かれて「食欲と性欲」が主たる生活の目的で何んの不思議も無い。

人間の心とは即(すなわ)ち「自己意識」の事で、言わば如何なる性交形態も「不純・不道徳かどうか」は一に本人がそう思うかどうかの問題で、時代時代で変わって行く習俗である。

誓約(うけい)の成果は極シンプルなもので、言わば部族(民族)の枠を取り払って群れを統合して行く事である。

性交を持って誓約(うけい)とするその先にあるのが両者の混血した子供の誕生であり、異部族(異民族)の具体的な統合である。

気候の変化に順応しながら狩猟採取生活を続けて暮らしていた彼等の前に現れたのが、稲作技術を持つ原ポリネシア系縄文人だった。



日本列島の縄文期は今から六千年〜四千年も以前の事で、これ以前に樺太から南下移動して日本列島に渡り来たとされる原始的な人類は採取狩猟を糧を得るの手段としていて、凡そ文明らしきものは無かったと想われる。

ただ五千年ほど以前に最初に海の道(黒潮の流れ)を渡って日本列島に来たのが、確認されている列島最初の住人、稲作や土器の文化を持つポリネシア系縄文人である。

「縄文文化が当時は最先端だった」と主張するアマチア学者が居る。

だが、それは縄文時代を点でしか捉えて居ないからで、永いスパンが在る「時代」と言う括りを蔑ろに、安易に解釈を決めて掛かっているからである。

日本列島に於ける縄文時代は、短くて二千年説、永ければ一万年説があり、その間列島で孤立状態に近い縄文人の文化が「永く先進を維持して居た」とは考え難い。


渡来して来た原ポリネシア系縄文人に拠って大陸やトカラ列島経由で南部九州へと水稲耕作技術が伝わり、時間を経ながら定住する群れが日本列島に広まっている。


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稲作縄文人

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆〔二〕稲作縄文人 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆

五千年ほど以前に黒潮の流れに乗って渡って来たポリネシア系縄文人に拠って、大陸やトカラ列島経由で先住民にも稲作が伝わって採取狩猟から定住への変化が起こり、各地に縄文人(蝦夷族/エミシ族)の「邑(むら)/屯(たむろ)い」が出来て日本列島は縄文の文化期を迎える。

この先住採取狩猟民とポリネシア系縄文人の混血が、ネイティブジャパニーズ・縄文人(蝦夷族)である。

列島各地で縄文土器が発見され、少なくとも縄文人(蝦夷族)に拠って縄文時代の晩期までには水田農耕が「東北地方にまで定着していた」と思われる。

この縄文期に、古代イスラエルの失われた十支族の一部が列島に移り住んで原住民と民族的に和合し、縄文人を形成した痕跡が存在する。

その縄文人が「ヘブライ文化の一部を定着させた」と言う、未だ解明されない「古代ヘブライ(ユダヤ)伝説」がある。

実はこのヘブライ文化が、六百九十九(文武天皇三年)に役小角(えんのおずぬ)が成立させたの陰陽道に、日本列島の原信仰として取り入れられた形跡がある。


毎年初夏から初秋に掛けて日本列島近海の海水温が上昇する頃に、黒潮本流は日本列島に近付く。

恐らく、日本人の多くの祖先であろう原ポリネシア系縄文人は、その季節に黒潮に乗ってやって来たのだろう。

このポリネシア系の初期渡来人に関して、反対に日本列島から「列島の民がポリネシア・ミクロネシア方面に拡散して行った」と言う説を唱える者も居るが、当時「海流に逆らって太平洋の各地に進出する航海術が在った」とは考え難い。

やはりポリネシア・ミクロネシア方面から黒潮海流に乗って北上して来た」とする方が自然である。

我輩のつたない想像力でも、木々を束ねた筏の群れや大木を刳(く)り貫いた丸木舟の船団が荒波に耐えて次の島次の陸地を目指し、大洋を進む様が浮かんで来る。

波間に彼等の目に映った大きな陸地が・・・日本列島だったのである。


然したる航海術も無しに、「海流の流れの先に新天地が在る」と果敢に挑戦した祖先が居た事は悠久のロマンではないだろうか。


日本列島の歴史は、海(海流)のもたらせた歴史である。

その海流は、南からから北に列島を包むように掠めて流れる日本海流(黒潮暖流)と対馬海流(対馬暖流)である。

日本海流は通称・黒潮(くろしお)と呼ばれ、北太平洋の亜熱帯循環の北西部分に形成される幅が狭く強い流れの海流が、列島を包むように北上して来るのである。

この海流は、暖かい南方の海から暖かい海水を運ぶ為代表的な暖流に分類され、気候変動と連動して広い北太平洋を時代時代で流れを変えながら日本列島に近寄ったり離れたりする。

その通常の流れは、遠くポリネシアの島々から台湾島太平洋沿岸掠めた後、台湾島と石垣島(八重島群島)の間を抜け、琉球列島の西側大陸寄り(東シナ海の陸棚斜面上)を流れ、九州の南西で方向を東向きに転じてトカラ海峡を横切る。

そこから日本列島南岸(北太平洋側)に流れ込み、九州島・鹿児島沖、四国島沖、紀伊半島沖、伊豆半島沖の太平洋沿岸を掠めながら北上、伊豆諸島の御蔵島と八丈島の間を通過して房総半島沖で南に転じて行くが、気候環境により大蛇行流路と呼ばれる南に大きく蛇行する流路をとる事もある。

日本海側に向かう支流はトカラ列島付近で分流し、東シナ海の沿岸水と混ざり合っ九州島西方沖を掠め、九州島西側を北上して対馬列島に進み対馬海峡を通って、日本列島の日本海側海域に暖流・対馬海流(つしまかいりゅう)となって流入する。

対馬暖流とも呼ばれ、日本列島の日本海側が比較的温暖なのはこの対馬暖流の影響である。

その黒潮(くろしお・日本海流)と対馬海流が、悠久の昔からの海の道で、古代縄文人(ポリネシア系)を運び、後発の征服(進入)部族(氏族・渡来民族の呉族・別名海人族や隼人族/加羅族・別名山人族)を運び、両者の混血を経て「弥生(時代)人」が誕生した。

日本列島の本来の先住民は蝦夷(えみし/縄文人)だった。

この蝦夷(えみし/縄文人)と呼ばれる先住民族(鵺、土蜘蛛、鬼、の類)が、原日本人系縄文人(原ポリネシア系)と考えられる。

蝦夷(えみし)は侵略部族側が縄文人(先住民族)を呼んだ呼び方で、自らが名乗った訳ではない。

つまり時代の誤差はあるが、日本列島の隅々まで元々「蝦夷(えみし)族/縄文人(先住民族)」の領域だった。

まぁ秦帝国の始皇帝(紀元前二百二十年頃)が中国大陸に君臨して頃は、日本列島が、未開の縄文人が暮らしていたある種「黄河文明」から遠く離れた辺境の島だった事は事実である。


島国の日本列島では先住していた樺太から南下して来た人々と、この海の道(海流)を運ばれて(航海して)来たポリネシア系の人々との第一段階の誓約(うけい)拠って合流した。

中国大陸南部・雲南省辺りに発祥し朝鮮半島経由でやって来た雲南系・原加羅族人と、そして同じ早い時期に雲南省辺りに発祥した稲作((熱帯ジャポニカ種)が東南アジア経由でポリネシアに伝播していた為に、列島に渡って来たポリネシア系の人々が日本列島に稲作の初期技術をもたらして「縄文人」が成立した。

その後時代が下がった紀元前三世紀頃に、第二段階として同じポリネシア系でも一旦中国大陸に渡り大陸系住民と混血した人種や大陸系の多数の人種が、朝鮮半島経由で海峡を渡り来た者達や海流に乗って南洋諸島からの移り住む者達があり、文明を携えて比較的後発の征服(進入)部族として日本列島にやって来た。

その後発の中華文明や列島に合う別の稲作種(温帯ジャポニカ種)を持って渡来した征服(進入)部族は、自らが王に成りたい文明に毒された覇権主義者の群れ(後の氏族)だったのである。


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倭国と弥生人

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆〔三〕倭国と弥生人 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆

弥生期は紀元前千五年前からの五百年間で、この頃より日本列島に中国大陸・朝鮮半島などから一族を率いた渡来移住者が多数、勝手に土地を占拠して定着し始める。

但しこの弥生期の始まりには諸説あり、近年では紀元前二千年前説の可能性が言われ始めている。

中華文明や列島に合う別の稲作種(温帯ジャポニカ種)を持って渡来した彼等文明の利器(金属武器)を持つ征服部族の前で、平和共存主義の先住民・ネイティブジャパニーズ・蝦夷(えみし/縄文人)は為す術(すべ)も無くその支配下に置かれて行った。

この「黄河文明」から遠く離れ、未開の縄文人が暮らしていた辺境の島・日本列島が、新天地を求めて「噂の蓬莱島」に渡り住もうとした征服部族達の「ずうずうしい神々の光臨の地」と成ったからである。

縄文人(蝦夷族)と違い、中国大陸・朝鮮半島からの渡来移住者は、大陸文明の価値観をそのままに征服野心満々で新天地を目指して来た。

その征服部族が本格的な小国家「倭の国々」を打ち建て、それが誓約(うけい)で大和合をして国家・大和朝廷が形成される。

蝦夷(えみし/縄文人)の領域を、朝鮮半島から南下した武力に勝る倭族(加羅族・呉族)や琉球列島を北上して来た倭族(隼人族・呉族系)に、列島の西側から次々と征服されて行き、征服部族は次々と小国家を造り支配者になった。

それが邪馬台(やまたい)国伊都(いと)国狗奴(くな)国などの「倭の国々」だった。


日本列島に渡来し乱立した日本列島の小国群は、戦(いくさ)と誓約(うけい)を繰り返して統一の過程を辿る。

例えば渡来した呉族系海洋民族が九州北部で倭の国々の一つ「奴国(なこく)」を造る。

この「奴国(なこく)」の存在は、「後漢書・倭伝(東夷伝)」と志賀島(しかのしま)出土の金印・漢委奴国王印(かんのわのなのこくおういん)の符合からその存在が定説化した。

志賀島(しかのしま)の金印・漢委奴国王印(かんのわのなのこくおういん)は真贋両説在り、意見が分かれる所である。

だが、此処で採られた「後漢書・倭伝(東夷伝)」の内容で、広域倭の国論が論証される記載が存在する。

中国の史書「後漢書・倭伝(東夷伝)」に書かれた

後漢・建武中元二年(西暦五十七年)、倭の奴国(わのなのこく)、貢を奉り朝賀す。使人、自ら太夫と称す。倭国の極南界なり。光武、賜ふに印綬を以てす。

と、「後漢書・倭伝(東夷伝)」に在る。

つまり、「倭の奴国(漢委奴国/かんのわのなのこく)は倭国の極南界なり」は、倭の国々はもっと北界に多く存在する事になり、朝鮮半島がその範囲に含まれる事を意味しているのだ。

その奴国(なこく)が、一時期は渡来系ながら部族が違う卑弥呼(比売大神・天照大神)が指導する農耕山岳民族・加羅族(からぞく)邪馬台国(やまたいこく)に一時期は圧迫された。

やがて奴国(なこく)は九州南部で勢力を盛り返して、海洋民族国家・狗奴国(くなくに)が成立する。

その狗奴国(くなくに)が勢力を増して九州南部・中国・四国・紀伊半島南部に到る広大な地域を支配し、卑弥呼(比売大神・天照大神)の邪馬台国(やまたいこく)を圧迫する。

この天照大神(あまてらすおおみかみ)と須佐王(須佐之男)の誓約(うけい)に到る「天の岩戸の宴」への経緯が、二大勢力に分かれて戦った倭国大乱(わこくたいらん)である。

倭国大乱の件は、「卑弥呼系の邪馬台国」と「スサノウ系の狗奴国(くなくに)」が決戦の末に狗奴国が生き残って列島西日本を統一・神武朝を打ち立てた経緯である。

この海洋民族の王がスサノオ(須佐之男/須佐王)で、やがて両民族和合の為の誓約(うけい)に到って両者が統一を為し、日本列島の西半分が神武朝大和朝廷の基礎と成った。

つまり天の岩戸伝説は、構築された誓約(うけい)神話なのである。

勿論その誓約(うけい)神話の中の物語に登場する天照大神(比売大神・卑弥呼)やスサノオ(須佐之男/須佐王)は両部族の神格を持った象徴である。

この呉族系海洋民族国家・狗奴国(くなくに)と言う国名を良く見てもらえば一目瞭然で、大和朝廷が進めた修験道と狗奴国(くなくに)は大きく関わりがある。

そして伊豆七島から伊豆半島に起こった同じ呉族系海洋民族国家・伊都国(いとこく)が合流し、その指導者・賀茂葛城一族が大和朝廷の重席を担いながら、修験道の指導者となる。

修験道のイメージシンボルは天狗=(てんのいぬ)であり、統治者に都合が良い伝承を振りまいた修験者の目的だった天狗修験道の別名を「犬神様(いぬがみさま)」と言う。

我輩が指摘する「記紀(古事記日本書紀)神話」など、為政者の権威の為になる情報操作は、ちょうど現代の「インターネットに拠る権威の崩壊」と真逆の位置に在ると理解して欲しい。

つまり現代のインターネット社会が、権威の為の情報操作を困難にして独裁が難しく成るだけに、当時の修験者に拠る「天孫降臨伝説」を紛れ込ませた「記紀神話」の流布は効果的だったに違いない。


一時は卑弥呼(比売大神・天照大神)が指導する農耕山岳民族・加羅族(からぞく)の邪馬台国(やまたいこく)と西日本を二分した呉族系海洋民族の狗奴国(くなくに)の名残は、支族として織田信長の正しい出自・忌部氏(いんべうじ)物部氏、そして賀茂葛城氏などの古代豪族としてその後も残った。

神社も呉族系海洋民族の主神・事代主神明神社(みょうじんしや)や綿津海神社(わたつうみじんじゃ=渡つ海)が目立っている。


「明神(みょうじん)」とは、神は仮の姿ではなく「明らかな姿をもって現れている」と言う意味であり、日本神道の神の称号の一つで天皇を指す場合には特に「あきつみかみ=明神」と読む。

そして京都の上賀茂神社の境内を流れる「ならの小川」は、境内を出ると明神川と名を変える事から、つまり上賀茂神社も上賀茂明神なのである。

例えば、織田信長・織田氏の出自とされる越前国織田庄・剣神社(つるぎじんじゃ)は別名を織田明神社とされる明神様で、尾張一ノ宮・熱田神宮も別名は熱田明神社である。

実は葛城ミステリー三島大社(三島明神)も、江戸の守り神の一社・神田明神も、同じ事代主神(賀茂の神)を主神とするもので、海彦伝説の呉族系神が現れたものである。


一言で言ってしまえば、原住民族(縄文人)の日本列島へ征服部族(氏族・渡来民族)が次々に流れ込み、勝手に縄張りをして小国家(倭の国々)を作り、やがて武力征服や誓約(うけい)その他の経緯を経て混血を繰り返して「弥生人」が生まれた。

尚、この蝦夷(えみし/縄文人)族と渡来部族との異部族間の混血過程は、日本語の成立過程にも歴然と現れている。

実の所、この混血期間が経時的に「ダラダラ」と長期間を要しているので明確さに欠け、我輩には縄文人と弥生人の区切りは難しく、我輩は余り「好きな区分け」とは思っていない。

それにしても、この弥生人が誕生した弥生時代(やよいじだい)は、縄文時代に後続して古墳時代に先行する紀元前十世紀中頃(異論在り)から三世紀中頃までにあたる時代の名称とされている。

つまり、後期の渡来系部族が集団でやって来て各地を占拠領有し、先住民族(/縄文人)を制圧同化して行く過程が石器と木製農具の縄文期から、鉄製農具や鉄製武具の弥生期への移行時期であり、同時期に「倭の国々同士の和合」が進んで統一国家「大和朝廷」を成立させたのである。

この「弥生人」誕生の辺りが、序章の第二話「大きな時の移ろい」で詳しく述べる「神話の世界」なのだが、何しろ文献(古事記・日本書紀)としてまとめたのが先進文化を持ち込んだ征服部族(氏族)である所から、日本列島渡来以前から征服部族に伝わる「持ち込み伝承」をも「列島の神話」として取り上げている可能性が無きにしも有らずなのだ。

いずれにしても、古事記日本書紀がリアルタイムの記述ではなく昔話を編纂したもので、例え都合良く脚色された創り事の神話でも国家単位のトリックを内容に構成されれば、後の子孫がそれを解く事はほとんど出来ない。


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農耕民族(加羅系)・海洋民族(呉族系)

◇◆◇◆◇◆〔四〕農耕民族(加羅系)・海洋民族(呉族系) ◆◇◆◇◆◇

元々の列島の先住民・蝦夷(えみし/縄文人)は調和の民で、自然と調和し互いに調和して暮らしていた。

そこへ破壊混乱の渡来部族(氏族)が武力を持って征服に来た。

征服に来た氏族(渡来部族)は、千七百年代から千八百年より少し前にヨーロッパ大陸で食い詰めた好戦的な人々が、北米大陸に渡ってネイティブアメリカンの土地を勝手に分け取り、現在の米国を建国した経緯に良く似ている。

米国西部劇の「インディアン嘘つかない」の前には「白人嘘つく」があるのだが、ヨーロッパを食い詰めた移民達にすれば、他人(ひと)を押し退けてでも米大陸で成功しなければならない。

二千年前に日本列島に渡って来た渡来部族達も、このヨーロッパを食い詰めた米国移民達と同じ好戦的な連中だった事は、末裔である氏族のその後の生き方で判る。

この事は、ちょうど二〜三百年前の南北アメリカ大陸を、ヨーロッパの数カ国が「原住民を制圧して切り取った」と同じ事が、二千年前の日本列島で起こった事になる。


この時から、まったく違う価値観を持った氏族と良民(民人)・非人(賎人)、つまり破壊混乱の氏族と調和の民が同居する二重国家体制の日本列島が徐々に形ち作られて行く事に成る。

日本人は、原日本人系縄文人と比較的後期の渡来系との同化二重構造の中で、混血が今でもまだ続いている。

日本列島の原日本人系縄文人(原ポリネシア系)が「自然共生主義」である所から、その信仰基盤に自然神が多数存在し、後期の渡来系が同化に際し、それを採用(治世に利用)して八百万(やおよろず)の神が成立した。

その混血同化の証明が、ミトコンドリアDNA分析である。

アイヌの人々と沖縄の人々が、人類学的にも分析でも、「縄文人に近くて近縁関係にある」と証明されてはいるが、少なくとも一万二千年以上前には、「別の集団として存在していた」と見られる。

「原日本人系縄文人に近い」とされているアイヌ系と沖縄系に多いタイプの割合が原ポリネシア系であり、日本本土では約二十四%、韓国では約十九%、中国では約十二%である。



列島の民のルーツの内、農耕民族(天一族・加羅系)の発祥の地は、遠く「中国大陸南部、雲南省」と言われている。

雲南省の人々の稲作文化、それにまつわる風習、伝承等、数え上げれば限がないほど、日本のそれぞれに共通するものが多い。

その農耕民族(天一族・加羅系)が長い歳月をかけて北上し、中国各地に足跡を残しながら朝鮮半島を南下、任那(みまな/加羅族)国を造り、更に対馬を経て日本列島の山陰地方と九州北部に上陸して集落を築き、やがて邪馬台国を形ち造って行った。

雲南省の家族体系は昔から女系であり、家は女性が継ぎ、男性の夫は生家から通って来る「通い婚(妻間婚)」だった。

この「通い婚(妻間婚)」の風習は、日本列島に於いて平安初期の貴族社会で見られるものである。

つまり家の主は女性だったから、天一族が農耕民族(加羅系)ならば、女系女王(卑弥呼)を頭にいただくのが当たり前ではないだろうか。

妻間婚(通い婚)は、「中国大陸南部、雲南省」で現在も続けられている習俗である。

日本列島に渡来して来たその雲南省を発祥とする農耕民族(天一族・加羅系)が、日本で「氏族」として指導的立場(支配階層/貴族)に成った為に源氏物語で知られる平安期の「妻間婚(通い婚)」の習俗が色濃く残り、その家の女性に逢瀬を実現する為に「呼ばう」の行為が転じて「夜這い」となる。


歴史的に見れば、時代時代で恋愛事情や性習俗の社会的合意に違いがある。

それでも、当時の人々の気持ちや習慣が理解出来ないから、何か現代感覚とは不一致の事柄を記述すると「信じられない」と否定し、「今風に判り易くしてくれ」と言う。

ご希望の「今風に判り易く」は、恋愛一つ採っても時代考証的に当時の社会環境を無視しなければ今風には成らない。

娯楽テレビドラマの様に今風に判り易く書く事は、我輩には読者を馬鹿にするような気がするが、例え嘘でもそれを望む方も結構いる。

婚姻形式一つ採っても平安期の貴族社会では「呼ばう(夜這い)」の通い婚が当たり前で、男性が女性の家に通って来る。

「呼ばう(夜這い)」に応じるかどうかは女性に選択権があり、そこで女性は好ましい殿方が居れば「呼ばう(夜這い)」に応じて寝所に招き入れたから、つかぬ間の恋や複数の恋人を持つ事も多分にあった。

また上流社会に於いては、夫婦やカップルで野外へ出かけて行き、歌詠みの場を設けて作歌を取り交わして即席の求愛をする乱交ゲーム「歌垣(うたがき)」などの遊びも存在した。

そうした貴族社会の婚姻形式や恋愛事情、性習俗には当時としては社会的合意が成されていたのだが、現代風に解釈すれば酷く乱れた性習俗で「信じられない」や「とんでもない」と言う事になる。

一方、歴史ドラマでは登場する機会が無い「民人」、つまり被征服民族である縄文人系の村落社会に於ける性習俗では「群れ婚状態」の共生主義村社会が主流で、永い事村落(群れ)の男女は相手を定める事無く全て婚姻関係にあった。

つまり当時と言う時代考証を念頭に物語は綴るべきものだが、この辺りの性習俗の事情は本書の第五章に詳しく記述するので、ここはサラリと読み進めて欲しい。


一方被支配階層と成った先住民・縄文人(蝦夷/えみし)は元々群れ婚の習俗であった為に、氏族(支配階層)の習俗「妻間婚(通い婚)」を容易に受け入れて村落に於ける共生社会(村社会)独特の「夜這い」や「寝宿制度」に発展させる。

「夜這い」や「寝宿制度」に発展した日本の村落に於ける共生社会(村社会)に於いては、子供は「授(さず)かり物」だからその家の女性から生まれた子はその家の子で「誰の種(父親は誰)」などとは詮索しないで育てるルールだった。

その天一族も、朝鮮半島に至るまでに農耕民族(加羅族)として呉の国(今の中国福建省などを中心とした国)などで大陸文明を蓄えてから、陸路や海路を列島に渡って来た様だ。


それに対して、海洋民族(隼人族・呉族系)の発祥は、特定がむずかしい。

インドネシア、ポリネシア、ミクロネシアなどの南方の島々の原住民族が、「黒潮に乗って島伝いに北上してきた」とする説が有力で、それが九州南部に早い時期に上陸したのだろうか。

但し勿論、任那(みまな)を部族に拠っては加羅(カラ)や加那(カナ)とも呼ぶ訳でもあるが、任那(みまな)の国そのものの国内も農耕民族(加羅族系)海洋民族(呉族系/加那・カナ)は混在し、日本列島同様に覇権を争い新羅(シルラ/しらぎ)に後押しされた農耕民族(加羅族)と百済(ペクチュ/くだら)に後押しされた海洋民族(呉族)との勢力争いは存在した。

一方で、隼人系の「呉族」の様に一旦中国大陸で大国(呉帝国)を作り、文明を携えて日本列島に渡来して来た者達もいる。

今に伝わる浦島竜宮伝説などは、その名残とされている。

この農耕民族(天一族・加羅系)と海洋民族(隼人族・呉族系)と言う二つのまったく違う民族が、幾つかのルートを経て九州の地で遭遇し、生きる為の土地をかけて覇権を争う。

この争いの期間が、神代の時代だったのだ。

つまり、日本列島に渡来した呉族系海洋民族が奴国(なこく)を造り、その奴国(なこく)は一時期は邪馬台国に圧迫されたが、やがて盛り返して海洋民族国家・狗奴国(くなくに)が成立、その狗奴国(くなくに)が勢力をまして邪馬台国を圧迫、誓約(うけい)に到って両者が統一を為して日本列島の西半分が神武朝大和朝廷の基礎と成ったのである。

言って見れば、日本人のルーツはこの何段階かの混血の経緯を経て始められたものである。

近年、人種の混血が遺伝子的に優勢遺伝子が出現するというのはある種常識と言える事が現実現象として証明されている。。

日本列島・古代大和の国で先住民(エミシ族)と渡来人、或いは渡来人同士が混血して優秀な子孫を残した事が今日の世界に優れた日本人の元となって居る。


しかしながら、当時朝鮮と言う国も人種も時代考証的に存在しないにも関わらず、現代に存在する困り者はこの列島への渡来過程を取り上げて、千年・二千年も昔の事を「あいつの祖先は朝鮮系だ」などと脳が無い恥ずかしい事を言う事である。

そう言う奴に限って「日本は武士道の国」などと威張っているが、これから解説する通り氏族のルーツが渡来人である以上元々の原日本人(蝦夷族/縄文人)は「武士道」とは最も遠い立場に在ったから、大いなる思い違いの矛盾である。


日本列島の氏族が呉族(ポリネシア)系部族と加羅族(中国雲南省発祥の山の民)系部族の二系統が存在する証拠は、漢字と呼ばれる文字の読み方にも名残を残している。


例えば原(はら)の文字は、呉族(ポリネシア)系の「海の民」が原(バル)が「はら」と読み、加羅族(中国雲南省発祥)系の「農耕民族(山の民)」の原(ユェン)が「げん」と読むのではないだろうか?

それなら海彦・山彦の民話伝承も、符合して来るのである。


現在の日本人種の基礎が、古い時代の異部族混血である事はABO式血液型の分布状況を見ても良く判り、つまり日本民族の同化過程は日本列島に於いての血液型分布にも現れている。

日本人の血液型は、一般に凡(およ)そ四対三対二対一の比率で有る。

日本人の血液型の割合は、大体A型が38%(AA型が8%、AO型30%)、O型が30%、B型が22%(BB型が3%、B0型が19%)、AB型が9% ただし、血液型は二種類の遺伝子の組み合わせなので、A型でも生粋の AA型と AO型がいる(B型も同じ)。

早い時期に移って来て最初に居た列島の先住部族が占有率二十%のB型で、B型因子は氷河期に海峡が凍って渡れた時代に樺太経由で北方から渡って来た部族(日本史上では蝦夷族)の因子と考えられる。

つまりB型因子は東北・北陸・中部地方に多く西方に向かうに従って減少しており、 これが先住部族「蝦夷の基本的血液型」と思われる。

次に入って来たのが朝鮮半島を経た部族が渡来したもので、占有率が凡(およ)そ四十%のA型が主力だった」と思われる。

A型因子は、九州の北部に多く・中国(鳥取)・四国(愛媛)に分布し、漸次東方に進出して来た。

東北に向かうにつれて占有率が減少し、これが「加羅族の基本的血液型」と思われる。

混血の発端からすると当初の占有比率はB型因子優位だった可能性が高いが、A型因子を多く持った渡来部族がB型因子を持つ先住部族(日本史上では蝦夷族)を隷属化した経緯で優位因子が逆転したのではないかと思われる。

最後にやって来たのが占有率三十%のO型で、O型因子は 九州南部・太平洋沿岸の県に多く、太平洋諸島に住んでいた民族(O型の多い太平洋型)が南方から渡来した 。

これが「呉族の基本的血液型(モンゴロイド)」と思われ、北米及び中南米の原住民に極端に多い血液型である。

そしてこの三つの民族は、言語の上からも、習俗の上からも南方要素と北方要素とを混在して現在の日本人の祖先を形成するに至った。

全体の十%を占めるAB型因子 は混血新型因子である。

日本人の場合の比率はO型30.7%・A型38.1%・B型21.8%・AB型9.4%である。

これを例えば、モンゴル人に当て嵌めるとO型32.5%・A型22.3%・B型36.4%・AB型8.8%、韓国人の場合はO型34.5 %・A型28.0%・B型27.0%・AB型10.5% と各々微妙な差があるが、各々の民族の混血過程には歴史的要因で差異が存在するからであると考えられる。

これを米国人の現在で比較するとO型41.0%・A型44.0%・B型12.0%・AB型3.0%とO型とA型の比率が高まり、南北アメリカ大陸純粋原住民だけを採るとO型100%と言われ、反証的に混血過程を証明している。


問題なのは、縄文期から弥生期の初期渡来氏族への歴史的移行過程が日本人の意識から欠落している事である。

これらの古代史に於いて古事記・日本書紀に於ける記述以前を日本史では「先史」とされているが、つまり「先史」とは弥生期に到る前の「縄文期」と言う事に成る。

しかしこの「先史」の存在については、古事記・日本書紀に於ける天孫降臨伝説とは明らかに合致せず、歴史としての連続性が絶たれてしまっている。

天武大王(てんむおおきみ/天皇)が始めて桓武天皇(かんむてんのう)がほぼ編纂を締め括った「壮大な歴史改ざん文献」が古事記日本書紀である。

つまりそれ以前の渡来氏族天孫降臨伝説で原住系のごとく誤魔化したもので、古事記・日本書紀の記述を基にどの天皇が原住系で、どの天皇が渡来系と線引きする歴史学者の考え方自体が、かなり怪しいのだ。


この後この物語で詳しくご紹介するのだが、弥生時代後期の二世紀後半に日本列島側の倭国で起こった争乱・倭国大乱(わこくたいらん)の経緯を簡単に言ってしまう。

日本列島の西側で成立した小国家群が弥生時代後期に段々に武力吸収や合併を繰り返して大きくなり、列島の西側の東の外れに在った呉族系の大国・伊都国(いとこく)と西で勢力を伸ばして来た呉族系の狗奴国(くなくに)が合併する。

大勢力と成った呉族系海洋民族の国・スサノウ(須佐王)の狗奴国(くなくに)と加羅族系農耕民族の国・卑弥呼(比売命/ヒメノミコ)邪馬台国との二大勢力と成り、争いの後には両者が誓約(うけい)を結んで騒乱は収まった。

大和朝廷は邪馬台国を武力吸収した狗奴国(くなくに)が支配権を成立させたが、両者和合の為に国名に邪馬台の音を残した大和国を用いる高等な策を採った。

その和平手打ちの経緯が記紀神話(古事記日本書紀)に集約され、天の岩戸伝説となって残った。

勿論、記紀神話に於ける天孫降臨伝説に於いて、スサノウ(須佐王)は呉族、卑弥呼(比売命/ヒメノミコ)は加羅族の象徴だが、呉族・スサノウ(須佐王)の血流は神武朝を起こす支配者になる。

もう一方の加羅族・卑弥呼(比売命/ヒメノミコ)は神格化して天照大神(アマテラスオオミカミ)と成って両民族の立場並び立つ誓約(うけい)が成立した。


縄文人(蝦夷族/えみしぞく)も日本人の祖先であるから、勿論縄文期の遺跡や出来事も我が国の歴史であるが、その辺りを古事記(こじき) 日本書紀(にほんしょき)の単一民族神話とそれを利用した皇国史観(こうこくしかん)に惑わされて何故か弥生期の初期渡来氏族文化の中に蝦夷文化を混合してしまう悪しき傾向が存在する事である。


日本史に登場する「大和言葉(やまとことば)」と言う表記には、正直少々疑問が在る。

実はこの「大和言葉(やまとことば)」の表記には、蝦夷(エミシ)族の存在を抹殺する意図が在るからだ。

原在、「日本の最も古い言葉」と伝えられる「大和言葉(やまとことば)」が残る主な地域は、日本列島の両端(りょうはし)に当たる青森県と沖縄県と言われている。

つまり「大和言葉(やまとことば)」とは、そのルーツが「蝦夷(えみし)言葉に在る」と充分に推測できるのである。

にも拘(かかわ)らず、渡来部族が先住民族(蝦夷/エミシ)の地を乗っ取った歴史を「大和言葉(やまとことば)」の名称で隠蔽(いんぺい)してしまったのだ。


大和民族(ヤマト民族/日本人)の成立過程】に続く。


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堀エモンと日本の転換期の考察
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官僚大国・日本から脱出する方法
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未来狂冗談の作品リスト


【*】短編人生小説 (4)

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裁判員制度シュミレーション

凌 虐 の 裁 き

(りょうぎゃくのさばき)


未来狂 冗談 作

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ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。


【*】短編人生小説 (3)

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短編小説(1)

「黄昏の日常」

我にしてこの妻あり


未来狂 冗談 作

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ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。

【*】女性向短編小説 (1)

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短編小説(1)

「アイドルを探せ」

青い頃…秋から冬へ


未来狂 冗談 作

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ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。

【*】社会派短編小説(2)

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社会派短編小説(2)

「生き様の詩(うた)」

楢山が見える


未来狂 冗談 作

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ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。

◆HP上 非公式プロモート・ウエブサイト公開作品紹介◆

【小説・現代インターネット奇談 第一弾】


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「小説・現代インターネット奇談」
【電脳妖姫伝記】

【*】和やかな陵辱


(なごやかなりょうじょく)


未来狂 冗談 作

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【小説・現代インターネット奇談 第二弾】

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戦 後 大 戦 伝 記

夢と現の狭間に有りて

(ゆめとうつつのはざまにありて) 完 全 版◆


未来狂 冗談 作

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「あえて、暴論」

ジョウダンの発想

◆冗談 日本に提言する◆

未来狂 冗談 作

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◆メルマガサイト◆
冗談 日本に提言する・・・(来るべき未来に)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 冗談の発想が詰まった内容です!
ぜひぜひ読んで、感想をお聞かせ下さい。
異論・反論も大歓迎!!

====(日本史異聞シリーズ)第六作====
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「小説・怒りの空想平成維新」

◆たったひとりのクーデター◆

未来狂 冗談 作

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{「たったひとりのクーデター}・・・・・・・・(現代)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 特に経営者の方には目からウロコの内容です。
小説としてもおもしろく、実現できれば
不況は本当に終わります。

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非日常は刺激的

 愛の形ちは、プラトニックにいやらしく

◆仮面の裏側◆

未来狂 冗談 作

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仮面の裏側・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(現代)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 人の心って複雑ですね。
とくに男女の恋愛に関しては・・・
ちょっとHでせつない、現代のプラトニックラブストーリー。

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非日常は刺激的

 

◆仮面の裏側外伝◆

未来狂 冗談 作

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◆{短編集 仮面の裏側・外伝}・・・・・・・・(現代)

◆ウエブサイト◆「仮面の裏側外伝」

====(日本史異聞シリーズ)第一作====
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東九州連続怪死事件・事件は時空を超えて

◆八月のスサノウ伝説◆

未来狂 冗談 作

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八月のスサノウ伝説・・・・・・・・・(神話時代)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 東九州で起きた連続怪死事件。
そして現代に甦るスサノウの命、
時空を超えたメッセージとは・・・

====(日本史異聞シリーズ)第五作====
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「権力の落とし穴」

本能寺の変の謎・明智光秀はかく戦えり

◆侮り(あなどり)◆

未来狂 冗談 作

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◆メルマガサイト◆
侮り(あなどり)・・・・・・・(戦国〜江戸時代)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 天才信長とその最高の理解者、明智光秀。
だが自らを神と言い放つ信長は
「侮り」の中で光秀を失ってしまっていた・・・

====(日本史異聞シリーズ)第四作====
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

南北朝秘話・切なからず、や、思春期

◆茂夫の神隠し物語◆

未来狂 冗談 作

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◆メルマガサイト◆
茂夫の神隠し・・・・・・・・・(室町南北朝時代)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 誰もが通り過ぎる思春期、
茂夫の頭の中はHなことでいっぱい。
そんな茂夫が迷宮へ迷い込んでく・・・

====(日本史異聞シリーズ)第三作====
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鎌倉伝説

非道の権力者・頼朝の妻

◆鬼嫁・尼将軍◆

未来狂 冗談 作

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◆メルマガサイト◆
鬼嫁 尼将軍・・・・・・・・・・(平安、鎌倉時代)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 今は昔の鎌倉時代、
歴史上他に類を見ない「鬼嫁」が存在した。
その目的は、権力奪取である。

====(日本史異聞シリーズ)第二作====
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うその中の真実・飛鳥時代へのなぞ

◆倭(わ)の国は遥かなり◆

未来狂 冗談 作

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◆メルマガサイト◆
倭の国は遥かなり ・・・・・・・・・・・(飛鳥時代)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 韓流ブームの原点がここに・・
今、解き明かされる「二千年前の遥か昔」、
呼び起こされる同胞の血

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◆作者 【未来狂冗談(ミラクル ジョウダン)ホームページ紹介 】

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(18禁)蒼い危険な賭け・京香 作品を見る

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作者本名鈴木峰晴