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家制度の崩壊と恥文化】

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【日本人・その気質のルーツ】

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日本人・その気質のルーツ

記載事項目次のジャンプ・クリックです。

家制度の崩壊
恥に蓋をする自己責任(じこせきにん)文化
ブランド好きと技術好き伝統
良い加減・放棄と融合
頑張(がんば)る
謙譲の美徳(けんじょうのびとく)
没個性の横並び安心社会
ジャンプしなくてもそのまま下にもお読み頂けます。


【家制度の崩壊】


◆◇◆◇◆家制度の崩壊◆◇◆◇◆◇

近頃、日本の社会の治安悪化が懸念されている。

「社会規範の乱れ」とは言うものの、その根底に在るのは家制度恥文化の崩壊である。

そもそも日本の社会では、家制度を基本とする恥文化として家単位としての「世間様に恥ずかしく無い様に」が、日本人の一つの規制的な行動制約に成っていた。

つまり親兄弟にまで恥が及ぶ家制度が、一種の犯罪抑止力と成っていた。

その家単位としての考え方が、村や地域の社会単位が希薄になった事で「隣は何をする人ぞ?」と成って人間関係を築け無く成って社会的孤立が進み、生活の基準が個人の単位に代わって家単位としての行動制約は無くなって行った。

為に家単位としての行動制約は無くなって、現代日本社会は「自分さえ良ければの価値観」の中で身勝手な行動をする日本人が増える悪い状態にある。


そこで問題なのが戦後の欧米礼賛教育の中で、横文字単語の用法が強くなった事である。

為に戦後の日本人は段々に本を読まなく成って、文章解釈が不得意な単語人間になってしまった。

戦後の日本人の単純化したがる悪い癖で、こうした不都合を総体的環境とは考えようとはせず、個別の事として取り上げ考える事である。

確かに分けて考えれば理解し易い事もあるが、結局全体を物語りに組み立てて考える力を失う事になる。

つまり全ての発想を単語的解釈に偏って精々短歌的解釈が精一杯、とても物語としての発想など出来ないから不都合な出来事が起こる可能性は想い着かない事に成る。

その単語的発想が、家族と言う最小単位の群れの物語さえも超越した自己中心的な思考の発想を助長しているのではないだろうか?


小生は、日本人が過って持っていた家制度恥文化の規制的な行動制約の原点を「群れ社会」と見ている。

つまり象のシッポ部分だけ取り上げて、「家制度が壊れて行動制約を失った」と言うのは良いが、その家制度が自然発生的に村や地域の中で成立していたにはそれなりの魅力的な群れ社会構造である「村落社会(共生社会)」が在った事をロスト(欠落)してしまう訳である。

もし、総体的環境と捉えないで「家制度と世間と言う行動制約の崩壊」を問題視するとその解決策は綺麗事の精神論を持ち出すしか無いが、そんな具体性が無い事を社会の柱にしても現代人が傾倒するだろうか?

一応その綺麗事の精神論で建前は建てられるかも知れないがあくまでも建前で、本音が無いから誰も具体的な方向性を得られる訳では無い。

いずれにしても日本人は、「総体的環境」と言う条件の中で矛盾が生じると、不都合な具体的な事には目を瞑り解決の逃げ口に必ず「精神論」を持ち出して、結果、成果の得られない不毛な主張を延々とする人種である。

戦後の私権教育に拠って、食べ物を分かち与える村落共生主義など、戦後第二世代以降には理解出来なく成ってしまった。

益してやその原点が、「夜這いに在る」などと言ったら、「嘘、信じられない。」と言われるだろう。

しかし近隣愛の原点が無く成れば、「誰でも良いから殺したい」と言う身勝手な発想が生まれる事に成る。


日本人は形(建前)を作る事から物事に入る。

近頃話題と成っている「選択的夫婦別姓」の問題も、形(建前)から思考に入るから「夫婦別姓は家族と言う単位を破壊する」などと事実と掛け離れた主張をする。

もし、現代日本で家族と言う単位が破壊されるとしたら、そんな形(建前)の問題では無く、別な深刻なものが家族内に在る事は言うまでもない。

どうもこうした主張にはアンカリング効果が影響しているのだが、夫婦同姓は「昔から日本では当たり前だった」と言う主張は歴史を知らない故の間違いである。

日本の夫婦別姓は明治以後に始まった事であり、お隣の中国も韓国も皆夫婦別姓であるが家族と言う単位を破壊されるなどと言う事はない。

そして「選択的夫婦別姓」まで入れてしまうと、現在では世界中の大勢が容認されていて日本の様な夫婦同姓の国は極めて少数である事を知らねば成らない。



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【恥に蓋をする自己責任(じこせきにん)文化】


◇◆◇◆恥に蓋をする自己責任(じこせきにん)文化◆◇◆◇◆

日本人には自己責任を真っ先に考える風潮がある。

その根底にあるのが「武士道精神」で、つまりは責任の自己完結=切腹の精神の建前である。

日本人の悪い所だが、建前を一度決めてしまうと後は全てに「問題が無い事」にして、あらゆる可能性を排除する方向に建前を活用してしまう。

可能性を排除する事は、本来は検討が必要な事でもそれで横着に切り捨てる事を容易にしてしまう。


日本的武士道の感性では一度失敗したら切腹物で、事業家が事業を潰したら二度と浮かび上がれないから、もはや手遅れ状態でも最後まで踏ん張って、手の施しようが無い酷い状態にまで引きずってしまう。

しかしその責任の自己完結=切腹の精神は、裏を返せばジョージ・ワシントンの桜木の逸話・「正直」とは正反対の、実は中々責任を認めない卑怯者を増産する事に繋がっている。


役人も、そして裁判官・検事・警察官も一緒で、「失敗は腹切り物」の風潮が世間で強いから、一度方針を決めると間違いは絶対に認めない。

つまり間違いの責任を認めた時点で世論の建前では再起不能が相場だから、一般的に不都合が生じると誤魔化したり隠したりを先にして情況を悪化させる。

そこで結論を先送りする事で責任の所在をうやむやにし、同時に戦艦大和症候群なる病を多発させている。


そして更に、失敗を恐れる余り「前例主義」に徹して責任を回避するから進歩とは程遠い保守的な考え方をする事になる。

「武士道精神」と言う今時流行(いまどきはよら)ない男の美学など覚悟の無い者には只の妄想で、実状は「早期に対処すべき事柄を先送りする」と言う弊害の方が遥かに多いのである。

この「武士道精神(責任の自己完結=切腹)」を前提にすると、急な結論を出したい時にこそ間違いに慎重に成って結論が出せない会議を延々とし、前例の無い事には誰も責任を引き受けない。


先の大戦に於ける敗因の大きな一つは、建前上の「筈だ切捨て論」だった。

日本の建前主義の悪い所は、「建前を決める」と「もう通達したのだから」とそれで「終った気に成る事」である。

この建前主義の弊害を、先の第二次大戦を「例に取る」と良く判る。

当時のリーダーは、一旦、建前上有っては成らない事を決め、それの履行を前提として「起こり得る問題」を、建前で簡単に切り捨ててしまった。

兵に教育したのは、「生きて虜囚(捕虜)の辱めは受けるな(捕虜に成るなら死ね)」だったから、建前、降伏して捕虜に成る者はいない。

捕虜に成る者が居ないのだから、降伏兵から「敵に情報が流れる事はない。」と言う論法で、本来危惧すべき事項(情報管理)を放置した。


こんな哀しい「武士道礼賛」の建前主義で、戦争に勝てる訳が無い。

せめて、「あれは建前だから」と言う「本音」が在れば良いのだが、「官僚主義(軍指導部も官僚である)」は前提を動かさないから、米国の尋問所に連れて行かれた日本軍の降伏兵から、あらゆる情報が尋問を通して相手国に伝わった。

暗号から装備兵器、軍艦や飛行機の見取り図、軍需工場の所在地など、あらゆる情報が流れる危惧を「無いものは無い」と建前に固執して放置し、なんら対策を取らなかった。


現在、行政の指導不足で起こる数々の不祥事の根底にあるのが、この終った気に成る「日本の建前主義」である。

日本の行政に於いて、「在ってはならない事」と言う建前表現をした途端、以後その事は「無い事」として対策も採らずに処理してしまうのが無責任な日本式行政処理である。

つまり公務員の失敗や犯罪については、建前上在っては成らないから「想定すら」していない。

この「建前主義」は、官僚が手抜き(仕事をしない)をする為の「絶好の言い分」に使われている。

学習機会が過去に数多く在ったにも関わらず、この国は未だに「建前主義の官僚の国」で、一旦決めた建前を前提に、強引に事を進め、「起こり得る危惧」は、「有ってはならない事だから検討をしない」と、為すべき義務を放置して押し通すのである。


面白い事に、建前が潔(いさぎよ)さを求めるほど本音の部分でそう簡単にお仕舞いは嫌だから、益々潔(いさぎよ)い者は減って行く事になる。

日本の恥じの文化は、当初は「生き方や行動に恥じない事」と解されていたが、武士道精神の「責任の取り方」から失敗は致命傷になる為、現実は「恥に蓋をする文化」になってしまった。

言わば、古事記日本書紀で不都合な歴史部分を天孫降臨伝説に誤魔化して以来、日本国権力者の治世手法には、そして日本人の感性には「恥に蓋をする事が上等な事」と言う勘違いが生まれたのである。


これら全ては、美徳とされる武士道の国の「建前」の弊害そのものである。

それにしても、国がこの「自己責任(じこせきにん)」を言うのは大いに問題があり、国が決めた法律・法令で必ず割を喰う国民が出るが、基本的には自己責任(じこせきにん)である。

例えば、バブル経済を崩壊させたのは大蔵省銀行局が金融機関宛に出した「土地関連融資の抑制について」による人為的な急ブレーキであるが、本来なら慎重に対処して軟着陸も可能だった処理を誤まっても、それで蒙る個々の損失は「自己責任(じこせきにん)」である。



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【ブランド好きと技術好き伝統】


◇◆◇◆ブランド好きと技術好き伝統◆◇◆◇◆

日本人はブランド志向の人種である。

そのブランド本国よりも売れると言われ、ブランド品に異様な執着を見せて外国人から見ると「滑稽だ」と言われている日本人の、あのみっともないブランド好きは何処から来たのか?

それは古代時代から、日本が渡来氏族血統至上主義を基本とした統治体制に在り、つまり大王(おおきみ/天皇)を始めとする天孫族の血統ブランドが伝統的に大きな価値観だった。

日本の民人(たみびと)は、永い事血統のブランドを、価値観として強いられて生きて来た。

我輩に言わせれば、これこそが良くも悪くも「日本人が信じさせられたブランド好きの日本文化」そのものである。

そしてもう一つ、日本は「物造り大国」である。

日本は伝統的に「物造り」を尊ぶ民族であるが、それには明確な歴史的背景がある。

この国の支配者層は「氏族」で、支配者一族は「氏姓制度」に拠る氏(うじ)と姓(かばね/せい)を持っていた。

海を渡り来た征服部族が、日本列島の土地を武力で切り取り、先住民(蝦夷・エミシ/縄文人)を支配して小国家群を打ち立て、その小国家群が大和合して大和国を創り、その支配者一族の身分を示す為に「氏姓制度」が定められた。

つまり氏(うじ)姓(かばね/せい)は、特権階級の子孫を示す名乗りだった。

征服部族(氏族)の支配力、財力の一端を担ったのが、日本列島に持ち込んで来たあらゆる生産技術の専有だった。

この国には技術が氏族(支配階級)の専有だった歴史があり、故に日本独特の技術を尊び育む土壌が在った為に、「ブランド神話」に対する民族的感性が育った事も事実である。

奈良時代から安土・桃山期まで、あらゆる生産は支配者身分の「氏族(有姓階層)」が専有技術として兼業し、高度な技術開発と熟練技術も「氏族」が自ら携わって子孫に伝承させていたのである。



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【良い加減・放棄と融合】


◇◆◇◆良い加減・放棄と融合◆◇◆◇◆

基本的に日本人は、「良い加減」と評されるくらいにあらゆる信仰に寛大である。

いや、寛大と言う因りも「細かい拘(こだわ)りが少ない」と表現すべきかも知れない。

元々多神教の国ではあるが、神社と寺にお参りし家に神棚と仏壇の両方を設け、後から渡って来た信仰文化も抵抗無く受け入れてクリスマスを祝い、サンバカーニバルを愉しむ。

この信仰に肝要な思考の、日本文化の原点こそが遠く三千年から二千年前くらいまで日本列島が現住縄文人(エミシ族)と多くの渡来部族との人種の坩堝(るつぼ)だった証拠ではないだろうか?

日本人は不都合な提案に対して「ノー」と言わず「考えて置く」と返事をするが、「考えて置く」は争いを避ける返事の仕方でズウーット何時(いつ)までも検討中の実質お断りであり、後は察してくれの意味である。

イェス・ノーをはっきり言わないのも、日本列島が現住縄文人(エミシ族)と多くの渡来部族との人種の坩堝(るつぼ)だった事から争いを避ける知恵だったのかも知れないが、つまり日本人は建前ばかりを使う本音を言わない人種で、腹の中で何を考えているか判らない。

「ノー」がそんな「考えて置く」だから正直「イェス」と言われても不安で、とても信用出来ずに信用する為には具体的なものを必要とする。

そこで古代史に於いては、誓約(うけい)の混血が互いを信用する為の唯一具体的な方法だったのかも知れない。

つまり紛争解決の方法は「放棄と融合」で、一々頑(いちいちかたく)なに自分達の信仰だけを主張していては争いの基だから、知恵を持って誓約(うけい)の混血と同時に各部族の神々を集合し、血の融合と信仰の融合を成し遂げた。

こうした先人達の知恵を歴史経緯に持つ日本民族が、矛盾する事に、この現代に成って殊更日本人を強調し他人種に対し排他的に成ったのには何処かの時代に間違った思想が生まれたからに違いない。


日本人は建前ばかりを使う本音を言わない人種であり、この建前も人種の坩堝(るつぼ)と言う環境に在って融和を図る手段から始まったのかも知れないが、建前が建前に過ぎない事を充分に承知してはいる。

承知しているにも拘(かかわ)らず、そこが悪い所だが一旦建前を建ててしまうと「終わった気・解決した気」になって、「もう決めたのだから守られる筈」で圧し通し、無責任で横着な選択をする。

例えば建前の弊害は「武士道精神」と言う摩訶不思議な綺麗事である。

維新後国民皆兵の為に「武士道精神」を柱にした維新の志士そのものが武士道を尊重していれば主君を藩主の座から引きずり降ろす事は無かった筈で、つまりこうした精神論は御都合主義の建前である。

日本人の感性として金持ちが「如何(いかが)わしく思える」のは、金持ちが金の生かし方を知らず貯め込むばかりだからである。

簡単な話し、金持ちは金を遣わないから金持ちで、貧乏人は金も無いのに金を遣うから貧乏なのである。

国民性と言えば国民性だが、日本人は手持ちの金を貯める人種で余り中国人の様に「投資をする」と言う考え方はない。

何故こんな事に成ってしまったかと言うと、武士道の国は、裏を返せば「失敗すれば切腹をする自己責任」の冷たい国で、「孤独死/無縁死」は金を貯めない本人の責任と言う国である。

建前の精神論「武士道の精神」は裏面に「個人を律せよ」と言う「自己責任」の残酷性が顕著で、これが日本国民の老人福祉行政に対する理解度のネックに成っている。

武士道の潔ぎ良さは「決め事」に対する潔ぎ良さで、最大の弊害に成っているのが「戦艦大和症候群」である。

間違いを認める事は「恥ずべき事」であり、つまり一度決めた事には例え不都合が生じようとも強情を張り通して潔ぎ良く「面子」に殉じる。

国土交通省の官僚は、時代遅れに成ろうが一度決めた公共工事は何が何でもやり遂げようとし、厚生労働省の官僚は一度認可した薬品の不都合を中々認めない。

警察・検察も裁判官も、一度犯人と決めた被疑者は相当嫌疑があやふやに成っても自分達の間違いを認めようとはしない。

つまり根底にある深層心理が「間違ったらお仕舞いの切腹」であるから過ちを認める潔ぎ良さではなく、強情を張り通す「面子」に殉じる武士道の潔ぎ良さなのである。


時たま「信仰は然(さ)して信じないが、武士道の精神は信じたい」と言う方が居られるが、信仰も武士道も観念的なもので、本質的には「誰かが仕掛けた思想」と言う点で違いが無い事に気付かないのである。



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【頑張(がんば)る】


◇◆◇◆頑張(がんば)る◆◇◆◇◆

小学校の勉強なら兎も角、実社会では幾ら「頑張って」もそれだけでは「良くやった」と褒められない。

つまりそれなりの結果が出せなければ、幾ら「頑張って」も実社会では「無」である。

「頑張る(がんばる)」はある種の言い訳にも使われる言葉であり、現代に於ける政治家などはその典型的な立場で、頑張って居ても結果を出せなければ赦されるものではない。

その日本人が良く使う「頑張る」って言葉の意味は何だろうか?

「がんばる」と言う言葉先に在りきで、「漢字を充てた」と言う説もあるが、文字の意味を素直に採ると頑(かたくな)を張ると言う事で自分の我を押し通す説や「目を着ける・見張る」から転じて「眼張る」が語源と言う説がある。

これと同じような意味に使う中文(中国語)の言葉は「加油(ちゃよう)」と発音し、如何にもエネルギーを追加する雰囲気で頑(かたくな)とは少々雰囲気が違う。

それに対して同じような意味の「頑張る」は柔軟性に欠ける質濃い発想の下、論理とは別の個人が応援・援助も当てにせずの拘束的で精神的な色が濃い言葉である。

その精神的色を辿って見ると、日本人は明治維新を迎えるまでスポーッと言う概念は無く武術がそれに当たるものだが、武術に於いても基本的に個人競技で、ほとんど団体競技は無かった。

何故ならば、織田信長が歴史の表舞台に登場するまでは、戦の形が「手柄の確定」の為に「名乗ってから切り合う」個人戦の集積型だったからである。

そうなると兵法修行(学問)も武術修行(実技)も、文字通りに個人が頑(かたくな)に努力するしかない。

勿論、「頑張(がんば)る」の効用も在るのだがケースバィケースで、論理無き精神思想の下に「無駄な頑張(がんば)り」を念仏のごとくに唱える所に、歴史が培(つちか)った日本人気質を感じる。


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【島国日本人気質・謙譲の美徳(けんじょうのびとく)】


◇◆島国日本人気質・謙譲の美徳(けんじょうのびとく)◆◇

外国が外から見ると、その日本や日本人の現状に「建前」と乖離(かいり・かけ離れている)している行動の事実が、日常的にあるから、公式発言はとても信じられないのである。

そして、その文化を「独自文化だから理解しろ」と言うのは、日本人の傲慢(ごうまん)である。

基本的に日本人は腹芸や以心伝心が高等と考える人種で、旗色やイエス・ノーを明言せず「様子見曖昧(ようすみあいまい)が徳」と考える文化を持つ人種である。

日本人にとって、「検討します(考えて置きます)」のほとんどは、実質「ノー」の意味である。

従って次に遭った時には「その課題への回答の用意」は無い。


日本には島国日本人気質である「謙譲の美徳(控え目の美)」と言う独特な考え方がある。

辞書を引いて見ると、「謙譲(けんじょう)」とは、「へりくだり譲る事、また、控えめである様。」と書いてあり、つまりは良いも悪いも争いを避ける為に、主張に控え目の奥ゆかしさを出す日本独特の「まぁまぁ体質」である。

そうした感性がまったく無い外国人に「あいつ等、謙譲の美徳(控えめの美)と言うものを知らないのか?」と言った所で、その日本人気質が正しくて相手国人が悪いなどと言っても、他国に通用しない感性(気質)など主張しても一人善がりである。

他国では「良くぞ言った」と褒められる事を、独特な考え方「謙譲の美徳(控え目の美)」が強いから、たまに外交で強い主張をして相手を怒らせると、その主張をした者が「相手に対する配慮が足りない」と悪者にされる。

こんな日本国内以外は何処にも通用しない一人善がりを「最善の態度である」と考えているから相手にして見れば「余り主張しない大人しい奴等」で、他国から一方的に言われっ放しになる。

本来、外交交渉に於ける日本の態度は、他国同様の「言うべき事はハッキリ言う」とする「国際標準」であるべきだが、日本式の「謙譲の美徳(控え目の美)」を、稚拙にも「そんな文化が無い相手」にまで発揮しようとする。

その根底に流れているのが、単一日本民族の成立過程で起こった三つ巴の多民族の地だった事に拠る対立回避の知恵だったからであるが、それ故に誓約(うけい)文化やそこから派生した氏族社会の稚児小姓(ちごこしょう)風習などで信頼関係の担保を構築する術(すべ)を考案した。

しかしお隣の中国では、対・不対(トェ・プトェ/はい・いいえ)や好・不好(ハオ・プハオ/良い・悪い)、米国ではイエス・オア・ノウが意志疎通の基本であるから、次回遭った時に日本の「検討します(考えて置きます)」の回答を請求する。

正に日本の常識は世界の非常識であるが、それを「相手国が理解している」と勝手に思い込んで日本外交は押し通そうとし、他国の信用を失いし続ける愚を犯している。

にも関わらず、仕舞いには「その位の事が何で判らないのだ」と逆に怒り出すのが日本人の世界的評価で、つまり日本人の国際化は、腹芸や以心伝心の意識を持ち続けている間は期待薄である。

まぁ、何処の民族、何処の国家も独善的ではあるから、互いにそれを言い立てても永久に話は噛み合わない。

もし日本と言う我が国が大人の民族・大人の国家なら、まずは己(おのれ)から改めるべきではないだろうか?

それとも今まで通り「日本の固有文化なのだから何が悪い」と、妖しげな建前を振りかざし続ける民族・国家なのだろうか?



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【没個性の横並び安心社会】


◇◆没個性の横並び安心社会◆◇

遺伝子学の専門家に言わせると、日本人は他国人と比べ平均的に恐怖や不安に敏感な遺伝子を持つ人種だそうで、そうした遺伝子の醸成が如何なる経緯で為されたのかは歴史を紐解くしか解明の手段は無い。

軽々に結論を出せる話では無いが、当然ながら平和の民・先住縄文人(蝦夷/エミシ族)の地を勝手に乗っ取った渡来征服氏族の所業や、その統治政策としての恐怖神話などが、「遠い記憶として残った」と考えられる所である。

さらに征服部族(氏族)にした所で、本音で言えば居られるものなら大陸で平穏に暮らすのが筋で、大陸で戦に破れて逃れて来た部族や食い詰めて新天地を求めて遣って来た好戦的部族だが、列島に辿り着くまでに大きな恐怖や不安を経験して来た筈である。

この日本列島の地は、多神教の国であると同時に、信心深いと言えばそれまでだが未知のものへの恐怖心が強く、世界でも珍しいくらいに多くの幽霊・霊魂の国でもある。

だがしかし日本の信仰は多神教の国独特の信仰形態で信仰対象が分散し、一神教の国々から見れば好い加減な信仰とも受け取られる。

いずれにしても日本人が、恐怖や不安に敏感な遺伝子を持つ人種であるからこそ、出る杭は打たれる式に没個性を良として横並びで安心しようと言う傾向がある。

しかし我輩は、没個性を良とした横並びには魅力は感じない。

我輩が考えるに、文人・画人・歌人などの文化人で、世間に迎合する横並びの人物など見た事は無い。

常に新しい発想をする人間は「何を思い付き、何を言い出すか判らない」ので、周囲にとっては不気味な存在である。

当然ながら、周囲は「非常識」の落印を押す。

正直、歴史に登場する人物は、ルール無視の大虚(おおうつ)けとされるアウトロー・織田信長に代表される天才である。

実業界でもそんなもので、永い事工場の外に佇(たたず)み、輸入自動織機の音だけを聞いて「国産の自動織機を音だけで作った」と言われるトヨタグループ(自動車・自動織機の創始者・豊田佐吉も、最初周囲は「あの若者、働きもせずあんな所で一日ボーッとして気味が悪い」と見ていた。

ホンダ自動車の本田総一郎は、若い時代、試作の為に昼夜を問わず働き、小さな町工場で真夜中まで構わずガンガンと音を立てる「非常識で近所迷惑な存在だった」と言われている。

しかしそれを非常識と批判した常識者達が、一生涯何も為しえない所に没個性横並び安心社会の世の矛盾がある。

重要な日本人気質の続き【金と日本人】へ続く。

重要な日本人気質の続き【常識(じょうしき)と言う奇妙な言】へ続く。

【了】


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明智光秀=天海僧正説を検証する】に飛ぶ。
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この【日本の伝説リスト】は【皇統と鵺の影人】の「史実検証部分」の抜粋です。
一部記述が重複する部分がありますが、この記述より更に詳しく広い範囲(背景など)をお知りになりたい方は、
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【*】短編人生小説 (4)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

裁判員制度シュミレーション

凌 虐 の 裁 き

(りょうぎゃくのさばき)


未来狂 冗談 作

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。


【*】短編人生小説 (3)

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短編小説(1)

「黄昏の日常」

我にしてこの妻あり


未来狂 冗談 作

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。

【*】女性向短編小説 (1)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

短編小説(1)

「アイドルを探せ」

青い頃…秋から冬へ


未来狂 冗談 作

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ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。

【*】社会派短編小説(2)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

社会派短編小説(2)

「生き様の詩(うた)」

楢山が見える


未来狂 冗談 作

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。

◆HP上 非公式プロモート・ウエブサイト公開作品紹介◆

【小説・現代インターネット奇談 第一弾】


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「小説・現代インターネット奇談」
【電脳妖姫伝記】

【*】和やかな陵辱


(なごやかなりょうじょく)


未来狂 冗談 作

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


【小説・現代インターネット奇談 第二弾】

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戦 後 大 戦 伝 記

夢と現の狭間に有りて

(ゆめとうつつのはざまにありて) 完 全 版◆


未来狂 冗談 作

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「あえて、暴論」

ジョウダンの発想

◆冗談 日本に提言する◆

未来狂 冗談 作

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冗談 日本に提言する・・・(来るべき未来に)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 冗談の発想が詰まった内容です!
ぜひぜひ読んで、感想をお聞かせ下さい。
異論・反論も大歓迎!!

====(日本史異聞シリーズ)第六作====
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「小説・怒りの空想平成維新」

◆たったひとりのクーデター◆

未来狂 冗談 作

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{「たったひとりのクーデター}・・・・・・・・(現代)

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小説としてもおもしろく、実現できれば
不況は本当に終わります。

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非日常は刺激的

 愛の形ちは、プラトニックにいやらしく

◆仮面の裏側◆

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とくに男女の恋愛に関しては・・・
ちょっとHでせつない、現代のプラトニックラブストーリー。

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非日常は刺激的

 

◆仮面の裏側外伝◆

未来狂 冗談 作

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◆{短編集 仮面の裏側・外伝}・・・・・・・・(現代)

◆ウエブサイト◆「仮面の裏側外伝」

====(日本史異聞シリーズ)第一作====
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東九州連続怪死事件・事件は時空を超えて

◆八月のスサノウ伝説◆

未来狂 冗談 作

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八月のスサノウ伝説・・・・・・・・・(神話時代)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 東九州で起きた連続怪死事件。
そして現代に甦るスサノウの命、
時空を超えたメッセージとは・・・

====(日本史異聞シリーズ)第五作====
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「権力の落とし穴」

本能寺の変の謎・明智光秀はかく戦えり

◆侮り(あなどり)◆

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侮り(あなどり)・・・・・・・(戦国〜江戸時代)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 天才信長とその最高の理解者、明智光秀。
だが自らを神と言い放つ信長は
「侮り」の中で光秀を失ってしまっていた・・・

====(日本史異聞シリーズ)第四作====
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

南北朝秘話・切なからず、や、思春期

◆茂夫の神隠し物語◆

未来狂 冗談 作

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茂夫の神隠し・・・・・・・・・(室町南北朝時代)

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そんな茂夫が迷宮へ迷い込んでく・・・

====(日本史異聞シリーズ)第三作====
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鎌倉伝説

非道の権力者・頼朝の妻

◆鬼嫁・尼将軍◆

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====(日本史異聞シリーズ)第二作====
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うその中の真実・飛鳥時代へのなぞ

◆倭(わ)の国は遥かなり◆

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倭の国は遥かなり ・・・・・・・・・・・(飛鳥時代)

◇◆◇メルマガ・サンプル版◇◆◇ 韓流ブームの原点がここに・・
今、解き明かされる「二千年前の遥か昔」、
呼び起こされる同胞の血

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実在の人物を描いた物では無い事をお断り申し上げます。

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作者本名・鈴木峰晴