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samurai 【織田信長の「大虚(おおうつ)け」を解説する】作者本名・鈴木峰晴表紙ページ【サイトナビ】に戻る。


(織田信長大躍進の大虚(おおうつ)け)

【日本人は、何事も横並びが好きで突出した考えや行動を抑えようとする。】

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***【歴史のミステリー】*********

【織田信長の「大虚(おおうつ)け」を解説する】

(織田信長大躍進の大虚(おおうつ)け)


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***【歴史のミステリー】*********

【織田信長の「大虚(おおうつ)け」を解説する】

(織田信長大躍進の大虚(おおうつ)け)



◆◇◆◇織田信長の「大虚(おおうつ)け」を解説する◆◇◆

織田信長が偉大だったのは、時の武士がアンカリング効果の既成概念に囚(とら)われて、大虚(おおうつ)けと評されても、新しい可能性を追求した事である。

その魅力的な大虚(おおうつ)けに依って、信長は出自に関わらない多くの人材を登用し、天下を動かした。

つまり国家が統治の為に喧伝した既成概念の罠に囚(とら)われて、単純な答えを主張する輩(やから)は、信長にすれば単純無能な存在である。


「虚(うつ)け」とは「からっぽ」と言う意味であり、転じてぼんやりとした人物や暗愚な人物、常識に外(はず)れた人物を指す。

織田信長(おだのぶなが)の場合、幼き頃からの家督相続争いから身を守る為に「虚(うつ)けを装っていた」と言う安易な解釈があるが、間違いである。

信長の「虚(うつ)け」は、実は既得権を守ろうとする家臣共の「常識」を主張する策謀が原因である。

織田信長(おだのぶなが)の虚け者(うつけもの)は、一口で言えば「常識を主張する者は今日しか創れないが、はみ出し者は明日を創る。」と言う事である。

まぁ「常識」を主張する横着者に新たな思考は無く、「現状維持で安心」と進歩が無いのだが、そう言う輩に限って現状からの「はみ出し者」に敵意を抱く。

もっとも「常識」とは、コモンセンス(common sense)の訳語として明治時代頃に日本に普及し始めた言葉で、実はこの時代に常識(じょうしき)と言う概念も用語も存在はしなかった。

従って明治維新以前のこの時代に「常識」と言う言葉を使うのは時代考証に触れるのだが、現代的には説明がし易いので「常識」と言う言葉を使わしてもらった。

「武士道のフェアプレィ精神(尋常に勝負)だ」と綺麗事を喧伝する輩がいるが、命をやり取りする切り合い(殺し合い)にフェアプレィが存在するなど本来おかしな話である。

戦国時代になって特にこの傾向が顕著になったのだが、この事は後に講談師や脚本家、果ては明治維新政府から昭和初期の戦陣訓にまで利用されるいささか胡散臭い武士道の精神にまで発展する。

明記して置くが、武士道のフェアプレィ精神(尋常に勝負)など建前主義者の嘘っぱちな綺麗事である。

武士道に於けるフェアプレィ精神(尋常に勝負)のルーツをバラセば、実の所「恩賞の確定」と言う止むに止まれぬ事情が在っての事で、何の事は無い、旧勢力にとっては「名乗ってから切り合う個人戦」が、譲りがたい利権だったのである。

その個人戦だった事が良く判るのが、戦場での旗指物の変遷である。

この旗指物、戦場での「敵味方を判断する為」とする簡単な解説が多いが、実はそれだけの解説では不充分である。

何故なら織田信長が歴史の表舞台に登場するまでは、戦(いくさ)は個人戦の集積型だったからである。

戦国期に様々で個性豊かな旗印が登場した理由は、主に遠目でも目視できる「手柄の確定」だった。

本来、戦場で自分の手柄を公に認めさせる為に始めた「名乗ってから切り合う」は当時の武士の暗黙の了解で、それが「恩賞の決め手」と言う常識なのだ。

それを、団体戦にされると手柄を雑兵の鉄砲(種子島)に持って行かれる。

つまり織田信長の提案した団体戦は上級武士の利権がらみなのであるから、それで事の是非ではなく旧勢力は頭から抵抗する。



「飛び道具とは卑怯千番・正々堂々と切り合いで勝負しろ。」と侍(サムライ)のセリフで倫理観を主張する時代も戦に鉄砲(種子島)を重視する時代も経過して時代の常識は変化している。

剣術熟練の既得権益を侍(サムライ)の常識を認めて居たら武田騎馬軍団を絶滅した織田信長の「長篠の鉄砲(種子島)戦」の勝利は無かった。

周囲は何時(いつ)も「昔から決まっている」の大合唱だった。

これには参った織田吉法師(信長)だったが、直ぐに「これはイケル」と逆説的に思い着いて喜んだ。

既成概念に囚われない発想の転換が、新しい物を生み出す事は言うまでも無い。

これだけ既成概念に取り付かれた者ばかりであれば、「それを利用すれば戦に勝てる」と吉法師(信長)は踏んだのである。

この段階で「昔から決まっている」は、或る種信仰染みた思い込みの「感性」であり、これを「理性」で見直せば全く違う答えが導かれる。

この時の閃(ひらめ)きが、織田信長の生涯の武器になった。

人間には「意識と行動を一致させよう」と言う要求「一貫性行動理論」がある。

織田吉法師(信長)の周囲の既成概念で凝り固まった家臣共にとって、自分達の意識と一致しない吉法師(信長)の行動は理解出来ない困りものだった。

確かに現状を肯定すれば楽に生きれるかも知れないが、現状を否定しなければ未来への進歩は無い。

何かに挑(いど)む事が、何もしない事より遥かに価値が在る事を、天才・織田信長は知っていた。

才能有る者の「感性」は凡人には判らない。

吉法師(信長)には、自らの「感性」をそのまま結論にする事無く考え抜いた「理性」で消化する「才能」を持ち合わせていた事になる。

「社会性」と言うものとの本質は妥協であるから、「社会性」と「非凡な才能」は中々相容れられるものではない。

その判らない奴が、自分の感性を基準に才能有る者を判断する評価が「織田の小倅(こせがれ)、大虚(おおうつ)け者」の正体である。

彼らは、自分達の意識や価値観と一致しない異端児・吉法師(信長)を「大虚(おおうつけ)者」と呼んだ。

そんな彼らを、吉法師(信長)は相手にしなかった。

時は戦国、繊細で尚且つ豪胆な男で無ければ生きられない時代だった。

織田家の家督を継いだ後も、常識的に物を考える家臣達相手に「新たらしい発想を、迷う事なく実行させる事に腐心する」のは、信長にとって余分な苦痛だった筈である。

現代の企業でも言える事だが、周囲を取り巻く環境が刻々と変わるのに、旧態然とした手法から中々抜け出せず、経営者が増え吹けど踊れない社員ばかり何て事も多々ある。

確かに新らしい事を手掛けるにはエネルギーが必要だが、そこから逃げて居て生き残る企業など無い。

特に重役処が、到達感に安心して胡坐(あぐら)をかいているのは戦国時代も現代も同じで、絶えず三十歳世代の若手中堅を主力にすべきである。


そこで信長は、自らで新しい意識や価値観の旗本家臣団を育てる為に、吉法師時代から身分の差など構わない遊び仲間を結集し、それこそ「決まり事を無視した遊び」を繰り返した。

後に御案内する今川義元との桶狭間の一戦も、発想が常識に決まっていた義元と決まっていない信長の戦だったのである。

実は、約束事を壊すのが成功の秘訣である。

約束事は人まねであり、その範囲で物事をするだけなら安全だが注目もされないし進歩も無い。

若干無礼な表現だが、我輩を含め凡人はこの「約束事」に拘(こだわ)ってしまう。

目標に苦悩する事は大いに結構だが、「約束事」に迷っては進歩も成功も無い。

迷う者は、生涯迷い続ける事に成る。

つまり、何をするにしても如何なる事でも、如何に早くその境地に辿りつくかで、その道で大成するかどうかが決まる。

これは現代でも通用する事で、数百数千の発想の中から何か新しいものに挑戦して僅かに生き残った独自の物以外、既存業種に挑戦して常識論や理想論だけで新規事業に成功するのはかなり難しい。

それが企業犯罪で成功するのでは困るが、つまり成功の鍵は「他に類を見ない独特(ユニーク)なもの」と言う事に成る。

織田信長のように、利巧な人間ほど好奇心が強く何か思い付けば「試そう」と努力する。

そうした人間が進歩するのだが、大概の人間には思考範囲に於いて錨(いかり)を降ろして既成概念化する「アンカリング効果(行動形態学上の基点)」と言う習性が存在し、中々既成概念(錨/いかりの範囲)から抜け出せないので進歩しないのである。

人間には「意識と行動を一致させよう」と言う要求(一貫性行動理論)があり、つまり何かを出来る出来ないは、意識と一致していない。

だから「出来ない」と言う事で、裏を返せば織田信長のように意識を変えてしまえば今まで「出来ない」と思っている事が出来る様に成るのだ。

これをもう少し深く突き詰めると、「出来ない」事の言い訳をする為に「決まっている」と言う物言いの決り文句があるのかも知れない。

本来、価値観何てものは別に唯一絶対な訳ではない。

所が、何時の時代の人間もアンカリング効果(行動形態学上の基点)と一貫性行動理論(意識と行動を一致させよう)に縛られて、織田信長のように新たな発想をしようとしない。

それは、どう生きようと個人の勝手で、アンカリング効果(行動形態学上の基点)や一貫性行動理論(意識と行動を一致させよう)の範囲で判断した価値観の幸せも、自己満足では在るが本人は幸せを感じる。

しかしこの「アンカリング効果(行動形態学上の基点)」は、安全ではあるが別の側面から見れば「平凡で詰まらない人生」と言う淋しいものに成る。

自ら思考範囲を狭(せば)めたアンカリング効果は、周囲を正しく見渡す事を阻害する。

このアンカリング効果(行動形態学上の基点)は、織田信長のように錨(いかり)を上げて自由な思考にしまえば価値判断の範囲も変わるもので、全く違う発想が持てるのである。

一貫性行動理論(意識と行動を一致させよう)においても頑固に既存意識を守ろうとせず、一貫して意識改革をし続ける事自体に行動の基点を置けば良い訳だ。

つまり、この織田信長のようにアグレシブ(攻撃的)な発想を持って、既成概念をぶち破り、知略・戦略於いて「まさか?」と思う事が出現すれば、相手は戦略上対処が出来ない理屈である。

そして信長は天下掌握(天下布武)達成の直前、誰もがその事実を疑う信長流の大胆にして奇想天外なある秘密の策略を試みる。

だからこそ、この物語はその後世に大きく膨らんで行くのである。

信長の「虚(うつ)け振り」も、周囲に警戒されない様に周りを欺く「策略」と解説する見解の方も居られるが、そうは思えない。

単純に、常人が当たり前と思っている「常識」が、怪しいものだと気付いている信長は、当時の常識など意に介さない。

むしろ、当時の常識を積極的に破壊しょうとした。

信長は、日頃から異様な風体で城下に繰り出し、若者を集めて奇妙な遊びに興じて家臣のいさめなど、問題にしない。

周りの家臣が、信長の行動が枠からはみ出す事を、ルール無視の「虚(うつ)け者としか理解できなかった」と解釈している。

「出る杭は打たれる・・・」

大概の所、世間から突出する者が居ると、周囲の多くが失敗を望んで敵に廻る。

しかしながら世間に迎合していては道は開けず、失敗を恐れず一歩前に出るかどうかでその人物の可能性は広がる。

しかし、それはあくまでも可能性止まりの話で、つまり成功の確立が低いからこそ、実は挑戦する事が面白いのである。

奇想天外なものを発想したり開発したりするのは、大概の処普段は変人扱いされている人々である。

言い換えれば、変人扱いされるくらいでないと良いものは出来ない。

それなのに凡人は、相手が自分達と変わっているとそれだけで憎しみさえ抱く。
信長は、凡人の「物差し(ものさし)」からすると、「常識外れな事ばかりする。」、家臣が手を焼く困り者だった。

それで、寄って集(たか)って何とか枠に嵌め様とし、出来ないと判ると領主の座から外そうと常識的な弟・織田信行(おだのぶゆき/信勝)を擁立して戦を仕掛けたのである。


不幸な事に、生母・土田御前(どたごぜん・つちだごぜん)も夫・信秀に拠って手元から引き離されて那古屋城で育った「虚(うつ)け」と評判の長男の三郎信長よりも、永く末森城に共に住んでいた品行方正と評判の次男(庶兄から数えると四男)・勘十郎信行(信勝)を可愛がり、信行(信勝)に家督争いをけしかけている。

織田信長と弟・信行(信勝)が家督争い「稲生の戦い」をして柴田勝家と林秀貞の弟・林通具(はやしみちとも)を主力とする信勝方が敗れると、土田御前は信長に信行(信勝)の赦免を願い出て一度は赦させた。

しかし家臣共の評判を信じる土田御前は後にまた信行(信勝)に信長謀殺をけしかけて、終(つい)に信行(信勝)は信長に誅殺される事になる。

信長の父・織田信秀(おだのぶひで)は、「理性」で信長の才能を見抜いて織田家継嗣に指名し揺るがなかった。

しかし母・土田御前(どたごぜん)は「感性」に誘導され、家臣共のパホーマンスに乗って踊らされた。

まぁ家臣共の策謀は、現代の官僚達が天下り先利権をこずるく死守するに、理屈抜きな抵抗をするのと本質に代わりは無い。


これは織田信長軍団の強さの秘密のひとつである。

織田信長の軍団が、強かったのは「常設軍」だったからで、この常設軍はこの時点では「画期的」な事だった。

信長、天才の由縁である。

当時、どこの大名も常設軍は持たず家臣に所領を与え、そのまた家臣は土地(耕作地)を与えられてそれを運用していた。

つまり領主は、主従関係に土地(耕作地)を媒介とする事で自活させ、日頃の支給金などの負担を逃れていたのだ。

その基になったのが、平安時代に起こった武士台頭の背景・名田経営体制(みょうでんけいえいたいせい)である。

名田(みょうでん)または名(みよう)は、日本の平安時代中期から中世を通じて荘園公領制に於ける支配・収取(徴税)の基礎単位で、そのまま武士の支配地と成った。

勿論そんな制度だったから農業従事者(後に言う百姓)と武士にさしたる違いは無い。

武士も農業従事者(後に言う百姓)をしていた」と言う事に成る。

領地、知行地がこの時代の基本であり、懸命とは「命を懸ける事」であるから、一所懸命は所領を「命ち懸けで守る事」が当時の武士に課せられた唯一の疑いない価値観で、「一所懸命」は、ここから来ている。

小領主、郷士、地侍など、普段は経済的に独立していて、作地をして土地を運用し生計を立てているのだ。

そして、いざ「事ある時」に召集されて軍団を形成する。

勝てば加増されて、新たに領地がもらえる。

敵が攻めてくれば、自分の土地を守る為に領主の下に結束するが、あくまでも土地(領地)を取られない為の共同作戦である。

それで、相手との間に「領地安堵」の密約があれば、「一所懸命」に合致し、裏切る事も有る。

「自明の理」である。

この時点で大事なのは「土地」で、主従関係では無い。

言わば「傭兵契約」の様な関係であった。

それで、「どちらに付いたら利在るか」と言った召集される側の「値踏み」もあり、本音の所では、忠義は充てにし難い形態だった。

この事が、信頼のおけない裏切りの芽を育たせ、「下克上」を育生んだ。

例え武士と言えども、戦はしていても元々始めから「死にたい」と思って戦をして居るものは、そう多く居る訳が無い。

本音を言えば、良い思いをしたいからこそ、武士はいささか危ない思いをしても戦はする。
そこまで行かなくても、行き掛かりで止むを得ずにする戦も在る。

そう言う訳だから、充分根回しをした謀事で決着をつけるか、若い者達の無鉄砲な気力が役に立つくらいが実状である。

古参の武士など現代の映像で見せられるように格好の良い戦ぶりは少なく、互いに「こけ脅(おど)し」とヘッピリ腰の合戦が現実だった。

武将がそんなだから、雑兵はもっと充てには出来ない。

本気で命のやり取りをするのは出世志向一部だけで、後は仕方なしの参加だから氏族の大将が殺られれば、「わーっ」と蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。

雑兵は、各々の領主が領地の百姓を半ば強制的に刈り出して来る。
しかし農閑期しか刈り出せない。

だから、田植えの時期と稲刈りの時期には、「戦闘は起きない」と言う暗黙の了解があった。

百姓(雑兵)も武将も農作業が急がしいと集まらないのだ。それでは、作戦を立て難い。

「そろそろ稲刈りの時期でござる。」
「致し方なし、兵を引こうぞ。」

日本の信仰精神からすると、稲作は神事である。

つまり、田植え稲刈りに戦をしない暗黙の了解には、食糧問題だけに止まらない精神的なものがあったのである。

所が、その信仰精神そのものを屁とも思わないのが信長の思考だった。

武田信玄と上杉謙信が、「川中島」で何度も剣を交えながら、決定的な勝敗が付かなかった事も、この特殊な事情からである。

農作業の時期が来ると、大名・領主も互いに兵を帰している事実がある。

この長く続いた「家臣団の土着性」を、信長はある策略で壊して行った。

これも、天才信長ならではの手法である。

信長は自身の本拠地を次々と変え、家臣団を定住させなかった。

主城を那古野、清州、小牧、岐阜、安土と移って、その都度、家族を同伴させている。

これでは、家臣も付いて歩くしか無い。

信長は、本当の目的を一々説明する事無く、合理的に家臣の土着性を改めたのである。

単純な話、相手が兵力を整え難い時期にすばやく軍団を編成して攻め込むには、「常設軍」が必要なのだ。

この差は歴然であった。

その強力な織田信長軍団に、雑賀孫市の鉄砲傭兵軍団が雇われて加われば無敵で有る。

織田信長は、当時の近代兵器・鉄砲(種子島)を積極的に取り入れた先進的な武将である。

戦国の乱世を力でねじ伏せ、天下統一(天下布武)の先駆けとなった「織田信長と鉄砲」の間には、恐るべき男の存在が在った。

弱小戦国大名の尾張・織田家に、多くの鉄砲を購う手段は無かったが、それを可能にする方法があった。

一人の男を金で雇う事である。

その男の存在こそが、鉄砲を持って織田信長の野望を「軌道に乗せた」と言って過言ではない。

その恐るべき男雑賀孫市は、自由な生き方を望み一国一城の仕官の誘いにも己の天下取りにも興味が無かった。

雑賀衆棟梁・雑賀孫市ら傭兵集団もこれに注目、早くから「三千挺を所有していた」とされている。

日本初の鉄砲傭兵軍団を率いた雑賀孫市こそが、本物の乱世の英雄かも知れない。

信長の編み出した多重構えの鉄砲戦術も、チームワークを訓練した団体戦法で、弾込めの空白時間(ロスタイム)と言う弱点を補う工夫をしたものである。

そしてその鉄砲は、旧態然とした「名乗ってから切り合う武士の手柄の利権」とは真っ向から対立する雑兵の兵器だった。


信長の天才的先進性は、鉄砲ばかりでは無い。

織田信長の鉄甲船(てっこうせん)は、信長軍団に包囲された一向宗・石山本願寺を海上支援した村上水軍に手を焼いた結果、この補給ルートを打ち破る為に建造された。

鉄甲船(てっこうせん)は安宅船(あたけぶね)に鉄の装甲を施したもので、安宅船(あたけぶね)は室町時代の後期から江戸時代初期にかけて日本で広く用いられた軍船の一種別である。

千五百七十三年、織田信長は琵琶湖周囲を全て自領として内海となった琵琶湖に、長さ三十間(約55m)、百挺立ての大型・安宅船(あたけぶね)を建造した事が知られる。

木造の安宅船(あたけぶね)でも巨体で重厚な武装を施している為速度は出ないが、戦闘時には数十人の漕ぎ手に依って推進される事から小回りがきき、またその巨体には数十人から百数十人の戦闘員が乗り組む事が出来た。

その二年後、信長は京に近い琵琶湖に面した安土の山稜の地に、居城・安土城を築城し始めている。

信長が鉄甲船(てっこうせん)のアイデア実現を命じたのは安土城が完成する一年前の千五百七十八年当時である。

折からの一向宗の本拠地・大阪・石山本願寺攻めで毛利氏や村上水軍、雑賀衆の水軍に悩まされていた信長は、配下の水軍を率いる伊勢の部将・九鬼嘉隆に命じて伊勢で六艘の鉄甲安宅船を建造させた。

「鉄は浮かばない」と言う当時の常識に囚われない天才・信長の面目躍如であるが、鉄の装甲は当時の軍船としては世界的に見てもまだ珍しかった。

この鉄甲大安宅船を実見した宣教師・ルイス・フロイスの書き残した証言によれば、各船は「前面と左右に一門づつ三門の大砲と無数の大鉄砲で装備していた」と言われる。

伊勢から大阪湾に回航されて村上水軍や雑賀衆の水軍との戦いに活躍、鉄張り堅牢で充分に戦闘に優位な信長の鉄甲船(てっこうせん)は、当時最強と謳われた村上水軍を打ち破り、大阪湾の制海権を抑えて石山本願寺の補給路を断ち顕如(れんにょ)上人に、石山本願寺引き渡し調停に同意させている。

その信長の鉄甲船(てっこうせん)の噂を聞いて書き残した興福寺の僧侶の記録「多聞院日記」によれば、その規模は横七間(幅約12.6m)、たて十二〜三間(長さ約24m)であった。

これが有名な信長の「鉄甲船」で、「多聞院日記の通りだ」とすれば全長が寸胴(ずんどう・短い)過ぎる為、「実際には二十数間〜三十間(約55m)ほどの規模であった」と考えられている。


今でこそ、何でも無いような事でも、当時の常識に囚われて他の大名は旧泰然とした荘園〜守護時代の体制を改めなかった。

当時の守旧派にすれば、確かにルール違反であり、「文化に馴染まない」物だったのではあるが、その事に「何の説得力がある」と言うのか?

そう言う見苦しい言い分を平気で口にするから、知恵が無い者は始末に負えない。

つまり、今の子供が聞いたら「ばかだねー」と言う事でも、当時の「普通」或いは「常識」に囚われていたばかりに、攻め滅ぼされてしまったのだ。

統制の取れた団体戦型の常設軍の活用、それで信長軍団は勝ち続けた。

相手には始めから、「利益で動く寄せ集め」と言うハンデがあった。

不利になったら「寝返る」なり、逃げるなりすれば良い。

帰って、「自分の土地」で百姓仕事に精を出せば良いのだ。

つまり、所領と言う半農の拠り所があった。

信長の専業武士団は「戦いだけが本業」で、帰る所は無かった。

土地は所有(所領)していても、百姓に任せて上がりを得ているのだ。

つまり織田信長は、時代に会う形に「武士社会の構造改革」を成し遂げて、天下取り(天下布武(てんかふぶ))に今一歩で手が届く所まで行って「本能寺の変」で倒れた。

武士、侍(さむらい)と言う、俸禄(ほうろく)・扶持米(ふちまい)をもらい、主君に滅私奉公する戦闘専門の「常設軍事組織」ができたのは、信長以降の安土、桃山時代からの事である。


信長は固定観念に囚われない事を信条としたから、「武士の服装はかくあるべき」などには組しない自由な発想を通した。

従って周囲から見れば相当に傾(かぶ)いていたが、その自由な発想が「本能寺の変」を光秀に引き起こさせたのだ。



了





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【*】短編人生小説 (4)

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裁判員制度シュミレーション

凌 虐 の 裁 き

(りょうぎゃくのさばき)


未来狂 冗談 作

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【*】短編人生小説 (3)

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短編小説(1)

「黄昏の日常」

◆ 我にしてこの妻あり◆


未来狂 冗談 作

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ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。

【*】女性向短編小説 (1)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

短編小説(1)

「アイドルを探せ」

◆青い頃…秋から冬へ◆


未来狂 冗談 作

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【*】社会派短編小説(2)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

社会派短編小説(2)

「生き様の詩(うた)」

◆楢山が見える◆


未来狂 冗談 作

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ショート・ストーリーです。よろしかったら、お読みください。

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【小説・現代インターネット奇談 第一弾】


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「小説・現代インターネット奇談」
【電脳妖姫伝記】

【*】◆ 和やかな陵辱◆


(なごやかなりょうじょく)


未来狂 冗談 作

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【小説・現代インターネット奇談 第二弾】

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戦 後 大 戦 伝 記

◆ 夢と現の狭間に有りて◆

(ゆめとうつつのはざまにありて) 完 全 版◆


未来狂 冗談 作

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「あえて、暴論」

ジョウダンの発想

◆冗談 日本に提言する◆

未来狂 冗談 作

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冗談 日本に提言する・・・(来るべき未来に)

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ぜひぜひ読んで、感想をお聞かせ下さい。
異論・反論も大歓迎!!

====(日本史異聞シリーズ)第六作====
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「小説・怒りの空想平成維新」

◆たったひとりのクーデター◆

未来狂 冗談 作

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{「たったひとりのクーデター}・・・・・・・・(現代)

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小説としてもおもしろく、実現できれば
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 愛の形ちは、プラトニックにいやらしく

◆仮面の裏側◆

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◆仮面の裏側外伝◆

未来狂 冗談 作

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◆{短編集 仮面の裏側・外伝}・・・・・・・・(現代)

◆ウエブサイト◆「仮面の裏側外伝」

====(日本史異聞シリーズ)第一作====
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東九州連続怪死事件・事件は時空を超えて

◆八月のスサノウ伝説◆

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八月のスサノウ伝説・・・・・・・・・(神話時代)

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そして現代に甦るスサノウの命、
時空を超えたメッセージとは・・・

====(日本史異聞シリーズ)第五作====
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「権力の落とし穴」

本能寺の変の謎・明智光秀はかく戦えり

◆侮り(あなどり)◆

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だが自らを神と言い放つ信長は
「侮り」の中で光秀を失ってしまっていた・・・

====(日本史異聞シリーズ)第四作====
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南北朝秘話・切なからず、や、思春期

◆茂夫の神隠し物語◆

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====(日本史異聞シリーズ)第三作====
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鎌倉伝説

非道の権力者・頼朝の妻

◆鬼嫁・尼将軍◆

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====(日本史異聞シリーズ)第二作====
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うその中の真実・飛鳥時代へのなぞ

◆倭(わ)の国は遥かなり◆

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この文章は修了です。
















































貴方は、冗談(ジョーク)を深く考えた事があるだろうか?
冗談(ジョーク)には「軽口」とは違う、もっと重く深い意味が密かに潜んで居る事も多いのである。
【作者プロフィール】●未来狂 冗談(ミラクル ジョウダン)本名・鈴 木 峰 晴
昭和二十三年、静岡市に生まれる。
県立静岡商業高等学校卒業、私立拓殖大学商学部貿易学科を卒業した後、実社会に船出。
従業員二十名足らず小企業に就職、その企業が三百名を超える地方中堅企業に育つ過程に身を置き、最終、常務取締役で退任。
その後、零細企業を起こし、現在に至る。
現在他家に嫁いだ娘二人に外孫三人、同居の愛妻が一人居るが、妾や愛人は居ない。

性別・男性 /生年・1948年/住所・静岡県東部在住
【メッセージ 】
ネット作家として文学・歴史・政治・宗教・教育・科学・性・脳などを研究し小説やエッセ、そしてブログでコラムなど書いています。
☆ペンネーム未来狂冗談(Miracljoudan)の由来は、「悪い未来に成った事は冗談ではな無い」と思う気持ちからで、けして「冗談に付けたのではない」つもりです。念のため・・・。
また、「冗談」とかざしたペンネームの真意は、作品により政治や信仰・占術、歴史に対する批評及び性描写に、タブーを恐れない過激な表現を用いる事がある為、利害関係者との余分な論争を避ける為です。




あなたは、人目の訪問者です。


作者本名・鈴木峰晴